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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

水と空気の問い


毎日新聞 10月14日 23面 川野里子(歌人)


台風が去った朝、これが本当に水と空気の仕業か、と驚く。瓦が飛び、塀が倒れ、公園の樹木がことごとく折れている。猛烈な雨と風、つまり液体と気体に襲われたのだ。

私たちの日常生活は目の前のコップ、窓の外のビル、自分の体、とみんな固体の姿を保っている。固体を信じ、固体から固体へと目を移すことによって生活は成り立っている。

しかしもしかするとそうした私たちの姿はかりそめのものかもしれない。

形代のごとく浮かべる自が影を見つめてゐたり秋の日の水に(伊藤一彦)

固体、液体、気体という物質の三態によって人間の歴史を眺める時、近代以降はいかにも固体優勢の時代であった。鉄道という鉄によって全国を繋ぎ、国土という土地を拡大し守るために戦い、コンクリートであらゆる場所を固めた。

しかし、振り返ってみると、近代以前は、海や川を使った水上交通が主要であり、天気予報がないから空模様をよく読んだ。つまり、液体と気体のゆらめきと不安定さに寄り添いながら生きていたのだ。

固体優勢の世界は、液体と気体の氾濫に弱い。気候変動などの環境問題は多く海と大気に関わる。国土などに関わりなく溢れ出ている。私たちは固体を中心にする思考に慣れ過ぎ、液体と気体を扱いかねているのだ。

あるいは人間の心にとっても固体優位の世界は硬すぎて辛くなっているのかもしれない。

逃げることがほとんど生きることなりき落ちて形のきれいな椿(山下翔)

液体のように流れ、あるいは気体のように気化して「逃げる」。そのようにして自分を守ることは一つの生き方だ。苦しい現実を背負う若者の一人として山下が見ているのは、固体と固体のすき間であり、そこをどのように変態して生き抜くかという切実な問いなのだ。美しい形を保つ椿が目に痛い。

台風はまたやって来る。水と空気からの激しい詰問のように。



不思議な、味のある文章だった。

固体、液体、気体という物質の三態・・・

近代以前は、海や川を使った水上交通が主要であり・・・

液体のように流れ、あるいは気体のように気化して「逃げる」・・・


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今日のクイーン(再2)  90

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邑久光明園  堂崎しげるさん(3)


老年


━━夕方 夢中で仕事をしていると

すっかり日が暮れてしまって

おどろくことがある

三四日 あたたかさが続くと

春がきたと思い込んでしまう

そして(冬が逆戻ってきたような)寒さには

いつも魂消てしまうのだ


まだ識らないでいる

多くのことがらがあるので

ひとは懸命になって

それを解答しているうち

そのかずが増している


そうしてまったく

思いがけない

ある出来事に遭遇したり

無益の徒労を体験していく


だがやがてひとは

年経てきた年齢を

むしょうにいとおしんだり

自分自身をこのうえもなく

尊ぶようになる












雲と私


どこからともなく

西へながれ

東に去り

むらがりよってきていつとはなく

ちりぢりになって消え去っていく

雲はいまもそうして浮んできては

消えていく

それが同じではないが

そうではないとも想わず

季節ごとに空を飾った夥しいかずかずの

変化にとんだ雲が

人間とどんな関係があるかなどと

そんなことは考えてみるいとまがなかった

なぜか雲は空にぽっかり

浮んでさえおればよいのだと

そんなことも一度も想ってみなかった

いくあてのない旅を

雲はじぶんでもわからないうちに作られていて

風に追われるままそうやって

はしっていく

どんな未知の世界へでも

雲はゆうゆうととんでいけるのだろうか

じいっとみているうち

私に宿命と云うものがやっとわかるような

あるいは考えるなんて 存在ほどの意味を

持たないのかも知れない などと想いながら

あれほど淡くはかない雲の瞬間が

どんなに美しく

むねにやきついているか

それだけがいまやっと

私にわかったような気がする



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サケと野菜の蒸し煮


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無水鍋の下敷きにタマネギのスライスを置き、ナス、ピーマン、パプリカ、オクラ、インゲンを置き、15秒湯通ししたサケを置き、生姜1片をすりおろし、ニンニク醤油、酒、みりんで味付し、煮立ったら極弱火にして20分、火を消して余熱5分で出来上がり。



味噌汁

 
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タマネギ、ナス、ピーマン、パプリカ、オクラ、インゲンを鍋に入れ、水を入れ、上で使った生姜の残りをすりおろし、ダシの素と削り節を入れ、煮立ったら弱火にして13分ほど煮て、味噌を溶き入れて出来上がり。



エダマメ

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書かずにはおられない


こんなにとんとん拍子で進むとは、思いもしなかった。

最初の電話は10月に入ってからだったのに。

なのに、遅くとも来月頭頃までに移り住むと言われる。

そんなにフットワークが軽いのか・・・

まだ見ぬあなたは・・・


数日前に購入したという中古自動車で関東から・・・

まだ25歳のあなたが、婚約者といっしょに・・・


信じられない。

私の後を引き継いでくれる「農業後継者」として。


電話があった時、まず市へ電話して、農業補助金について聞いてみて下さいと話した。

確か、1ヵ月15万円、1年間に180万、7年もらえるはずだからと・・・

その晩に電話があり、補助金はもらえないと話された。

現在の補助金は、産地でも農業後継者がおらず、その産地を維持するために、外部から農業後継者を募集し、産地の農業を維持していくための補助金になっているらしい。

現実には、補助金をもらって就農してもなかなか続かず、途中でやめると補助金の返納を迫られるという。

これでは学校教育の奨学金と同じで、奨学金破産も考えられる。仮に3年間もらって止めると540万円もの負債を抱えることになる。


補助金は無理だとすぐに悟ったらしいが、25歳の彼はそれであきらめることはなかったようだ。

しかし、次にも大きなハードルの「住み家」という難問があった。瀬戸内市の空き家住宅情報を調べ、市の担当に電話してみることを勧めた。

その晩すぐに、1ヵ月家賃が4万円の物件を見つけ、ここはどうかと聞かれたので、我が家からは10分ほどだが、明日その物件を見て来るからと電話を切った。

賃貸物件の具体的状況を話しているうちに、ちょっと難しいと判断したらしく、今度は行政ではなく、民間の不動産屋で探してみますという返事だった。

翌日の晩にまた電話があり、1ヵ月3万円余りの物件を「これに決めました」と電話してこられた。

このスピード感は何だ・・・

ぼくの25歳と言えば、大阪で失業中で、夢遊病者のような日々だったが・・・


最初の電話から1ヵ月も経ない内に移住して来られるという・・・



ブログ内の農業後継者募集の記事を見て、これまでに20人ほどの問い合わせがあり、そのうちの10人ほどは実際に見学に来られたが、それ以上の進展はなかった。

しかし今回は立て続けに問い合わせがあり、もう一人の方は9月上旬に来られて田んぼ見学をして帰られた。ただ、その後の進展が少し止っていた。「住む家の問題」もあった。


ブログで農業後継者募集を始めた4年前、集落内で1軒の家を借りていた。家賃も安かったので、後継者が決まったら住んでもらおうと思い、農業仲間に見てもらったら、「まるで木賃宿」と言われ、後継者も1年内に決まらず、結局1年間だけでお返しすることにした。

1ヵ月の家賃はいかに安くても、年間にすればかなり高くなり、後継者が決まらないのに、家賃だけを払い続けることはできなかった。




今回の出会いが、お互いにいい出会いであったかどうかは、数年が過ぎ去って見ないとわからない。

当方の田んぼの近くに3反ほどを借り、当方の田んぼも1反余りを使ってもらい、独立採算制でして頂く。ぼくの技術力は乏しいが、初歩的なことは伝えれる。

借地はもちろん無料であるが、3つの機械だけは買ってもらおうと思う。そして3年以内に「当地での農業の継続は難しい」と当人が思われたら、8掛けで買い取りをさせて頂く予定である。
以下の3つの農具は2人で共有するのはかなり不便だから。
草刈機・・・約5万円
エンジンポンプ・・・約5万円
管理機(ミニトラクタ)・・・10~15万円

他の農具は鍬や鎌や収穫ハサミ等でいずれも金額的には大きくない。乗用トラクタは一緒に使おうと思う。


農業は頭で想像したりイメージすることと、実際に田んぼで身体を動かすことの間には、かなりのギャップがあると思う。

フットワークが軽く見えても、人生をかけて転身して来られるだろう。でもあなたは若い。仮に意に沿わなくても、次のステップにこの経験は必ず生きる。

私は66歳。末尾に6がつく年回りだから、自分にとっても大きな転機の年になると予感している。それが将来、あなたとの出会いがそれだったと言えるようにしたい。
 


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今日のクイーン(再2)  89

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新・定年オジサンのつぶやき

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邑久光明園  堂崎しげるさん(2)


ひかりについて


死んだものに

微塵ほどの翳さえないと云えるのなら

きっと ひかりのせいだ


生れたばかりのものに

しつこく纏う翳があると云うのなら

それは ひかりのせいだ


いつか

闇に憤りの眼をみひらいていると

そっとひかりがしのびよってきて

闇は吸いとって呉れた

そのとき

あんまりまばゆくって

俺はすっかりあかるさにはじらっていた


今日ささやかなよろこびが

俺にあるのは

きっとひかりのせいだ









幸福

あなたはどこに

地上から

わたくしたちにはとどかぬ

そらの

星々のひかりのなかに


あなたはいくらみつめても

いつまでまっても

とおいそらの彼方にある


わたくしたちの

あこがれている

手にはとってみることも

ふれてみることさえ出来ない

ゆめのひかり


そう思っていたが

いま病んでいるわたくしのなかに

あなたはだんだん満ちてきて

もうわたくしは

あなたでいっぱいになる

わたくしのなかに

あなたが感じられれば

生のよろこびを

強く強く感じる


 


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ピーマン炒め


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熱したフライパンに油を入れ、ニンニク1片の粗みじん切り、魚ソーセージ、ピーマンの順に炒め、ニンニク醤油で味付けして出来上がり。



塩サバ

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キュウリの塩もみ

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オクラとパプリカのポン酢浸し

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折々のことば


折々のことば 鷲田清一 朝日新聞10月14日

努力とは息をするように続けられること、無理をしないこと。息をすることです。
将棋棋士・永瀬拓矢

努力というとつい我慢や根性を連想するが、人の実力というものは「長いスパン」で見なければならないと若手の永瀬二冠(叡王・王座)は言う。短期的な成果を期待され、無理して踏ん張らないといけない時もあるが、本当のゴールはうんと先にあって、大事なのは継続だと。なんとありがたい励まし。


息をするように続けられること、無理をしないこと。・・・ぼくのブログはすでにそうなっているが、今年に入ってから加えた5つ目の「400字のつぶやき(身辺)」に手こずることがある。他の4つの更新は約1時間で終るが、5つ目に時間がかかる。しかし、さほど無理はしていないし(それでも体調が何度か崩れかかった)、そのための努力もあまりしていないので、「息をするように」簡単ではないが、多分続けれるだろう。




今日の朝日新聞の社説は「教員間の暴力(子供に顔向けできるか)」だった。
この事件は、この国のすさまじい「劣化」をかいま見た思いだった。それとも、たまたま表面化しただけで、日常的に行われているのだろうか。子供のイジメみたいに・・・。


加害側の4人(30~40代の男女の教員)は学校運営で中心的な立場にあり、発言力が強かったという。ものを言いにくい雰囲気の中で、経験の浅い若手への暴行が放置されてきたのではないか。問題の背景と構造に迫り、再発防止策づくりにつなげる検証が求められる。

・・・この現実は、「子供のイジメ問題」と同根であり、単に表面化していないだけで、多くの公立小中学校で日常的に起きている事態ではないか。

この国の政治の中枢がしていることと同じような、すさまじい、世の中の劣化を感じた。



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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