
直売所近くの備前の海。家から山越えして17分で行ける。
11月からは月曜日だけの出荷にしてもらった。出荷できる野菜がキクイモとレタスくらいしかないから。
エンサイとツルムラサキは11月上旬には終わる。ニンジンは11月20日が過ぎてから出荷したい。シュンギクは連結ポット育苗がうまくいかず、少ししか定植できなかった。
ワンパックの出荷は少しあるが、月、水、金と出荷していた直売所の出荷が月曜日だけになったことは、ちょっと一息つける。
それにしても、ここ数年、アブラナ科野菜を「形にする」ことが、本当に難しいと感じるようになった。
元々、ワンパックではそうたくさん作る必要はなかったので、なんとか送ることはできた。しかし直売所へ出すには、ある程度まとまった量を作らないと、すぐ終わってしまう。
まとまった量を作った経験がない。
カブは1袋、ダイコンは2袋、ハクサイとキャベツはせいぜい200本ほどずつしか定植していなかった。だからこの作付量をそんなに逸脱できない。この秋、500本余り定植したキャベツは半分ほどしか育っていない。
ダイコンサルハムシ等の害虫のせいでアブラナ科野菜を作る自信がないなら、それ以外の作物をきちんと作らないと、来年以降も11月~2月の4ヵ月間、直売所へ出荷できる野菜はない。
考えたら、以下の3種類をきちんと作るしか、自分には秋冬野菜を出荷する術がない。
シュンギク・・・ハウスがなく年内しか出せないのだから、もう少し早く蒔く。
サトイモ・・・もっとたくさん作る。
ホウレンソウ・・・もう少し早くから蒔き、もう少し早くから定植場所の準備をしておく。

故郷の村と山。原子力災害により故郷を追われている人たちがいる。いくら札束を積まれても、故郷の空と大地と山河に代わるものはない。
なぜ、ドイツのような選択ができないのだろうか。これこそ民主主義の成熟度の歴然たる差である。
農業を始めてから、やっとアイデンティティが形作れるようになった。土から離れざるを得なくなったら、また自分のアイデンティティは浮遊してしまう。
大地に帰依した百姓という仕事は、大いなる自尊心につながっている。
ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな(石川啄木)