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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

記憶にとどめたい一節


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秋の一時期、たった2週間ほどの期間の失敗が、11月、12月、1月、2月の4ヵ月間に渡って、心と体にこたえる。
 
秋蒔き野菜の種蒔きや定植の適期は短い。

アブラナ科四天王のうち、ハクサイ、キャベツ、ダイコンの3種類はどんなことがあっても成功させる必要があったのに。

田んぼを見渡して見ても、青青とした菜っ葉が見当たらない。多少はできたとしても時期がぐんと遅れて12月にずれ込んでしまう。 
   

10月中旬のこの時期、
(1)ダイコン葉
(2)ホウレンソウ
(3)コマツナ
(4)サラダミズナ
(5)シュンギク
という菜っ葉類をきちんと出してくる出荷仲間がいる。今の時期には、これらの菜っ葉類は飛ぶように売れる。

9月上旬に蒔けば、菜っ葉なら1ヶ月ほどで出荷できる大きさになるので、害虫被害さえ免れれば、10月中旬には上記のような菜っ葉類が出せる。別段、早蒔きではなく、今の時期の「旬の野菜」といえる。

農家なら、これくらい出せれて当然なのに・・・情けない。  
 

農薬を使ったのに、アブラナ科野菜の出来が悪いというのは、まことに馬鹿げている。もっと細心の注意をはらい、用意周到に準備し、頭の中で何度もシミュレーションして、一人ではなく数人に害虫防除の方法を聞き、ずらし蒔きをするという、複合的な危機管理がないと、秋のアブラナ科野菜はできない。


直播きならともかく、連結ポット育苗で発芽が悪かったら話にならない。連結ポット育苗では覆土を一定にさせるために「ローラー」という数万円の器具があるらしい(宇野さんはそれを使われている)が、ボクはフルイで土をかぶせ、その上からクン炭(焼きすくも)をふっている。

覆土は一定しなくても、蒔いた連結ポットにポリをべた掛けして、その上にコモかムシロをかぶせておくという宇野さんの方法をとれば、2粒蒔きで90%ほどの発芽になるようである。2粒蒔きで2本生えないと、手でスポスポと抜けない。



秋冬作はたった12アールほどなのに、日々の農作業と出荷に追われている。 
 
ワンパックは今はジリ貧になっているが、22年間続けてきて、自分なりの満足感はある。

直売所出荷は丸2年が来たが、初年度はイノシシの激しい襲来に遭遇して秋冬作をほとんど出荷できずに終わった。だから本格的に出荷を始めてまだ1年半ほど。やっと直売所出荷に慣れてきた状態である。

去年出荷していた4ヶ所の直売所は全然売れなかったのに、今の直売所はよく売れる。だから大切にしたい。青シソやモロヘイヤ、スイートバジルのような作物でも売れ残りがごく少なく(もちろん多量には出荷しないが)、キクイモも10袋ほどだが完売を続けている。

トマトやキュウリ、ホウレンソウ等の主要野菜を相当量出荷してくる生産者ももちろん必要だが、脇役の野菜を欠かさず出荷する生産者も必要である。それらが組み合わさってこそ、トータルの力でその直売所の野菜が売れる。脇役の野菜は「引き立て役」ではなく、他に出す人がいなければ貴重な出荷物となる。

今の直売所は自分が主に出荷する野菜に対して競争相手が少ないのも恵まれている。こんな直売所に恵まれる幸運は限りなく少ない。

優秀な生産者なら、どんな直売所でもすぐに頭角を現すだろうが、どこの直売所でも地域性や人口によって「売れる数」は限られている。 


今日の朝日新聞の天声人語の最後に、記憶にとどめたい一節があった。
『神は自然の中に色々な木を植えたように、人の中にも色々な才を配した、と言う。だから世界一立派な梨の木も、ごくありふれた林檎を実らせることはできないし、最も傑出した才能も、ほかのごくありふれた才能と同一の結果を産むことはできない(仏の文人ラ・ロシュフコー)。
そこで思う。われは本来何の木なりやと。凡庸な林檎さながらの小欄を顧みつつ、別の才もあらん、などと考えてみる。「本日の歴史」から、いつしか自分を励ます空想へ。時に思わぬ所へとコラムの結末は飛んでいく』  

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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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