

ホウレンソウは「直播き」というのが常識なのかもしれません。
ハクサイやキャベツならともかく、ホウレンソウを定植するとは・・・。
それでも、直播きがうまくできないなら、他の方法でするしかない。
「定植」という人も意外と多いような気がする。
ホウレンソウは6株が普通は120円ですが、4株(大株にする)が120円としたら・・・
タマネギが1個50円ではなく40円だとしたら、3株(個)で120円。
ホウレンソウが4株で120円、タマネギが3株で120円としたら、定植に要する時間や、収獲までの日数や、出荷に要する時間を考えたら、ホウレンソウの方が採算がいい。
タマネギは定植が普通で、直播きはない。
ホウレンソウの畝立てをして直播きするという方法がどうもうまくできなくて、10年ほど前から「定植」という方法をとってきた。
それでも大量に定植するとなると、とても採算は合わず、播種機を使って蒔くのが常識だろうと思っていた。
ところが、美作市の宇野さんから「ホウレンソウは定植」というのを聞いて、「目からうろこ」であり、定植という方法に「お墨付き」をもらったような気がした。
ただ、同じ定植でも、ボクの方法は全く誤っていた。だから時間がかかっていた。
宇野さんは288穴の連結ポットにホウレンソウを100ケース以上蒔き、サラダミズナは30ケースほど蒔く。
ホウレンソウを引き抜いて左手の手のひらに20個ほど置き、右手で置いていくだけ(実際には右手の親指で根元を抑えつけるだけで土などかける必要なし)で、288穴の連結ポットの定植に30分もかからないと言われた。
今日、自分はロケット(ホウレンソウにそっくりなサラダ野菜)をその方法で定植したのだが、おもしろいように手で引き抜けて、左手に10個ほどのせ、右手の親指で土に押し付けるように植えていったら、288本の定植に30分もかからなかった。
宇野さんが言われるには、定植までは多少手間がかかっても、収穫と仕分作業で「播種機の方法」に追いつくので、トータルの時間はほとんど変わらないと言われる。
播種機を使うには、きちんとした畝立てをする必要があり、これが難しいと思う。
播種機は、「砂地」、「赤土」、「普通の土」のどんな性質の土にも対応できるのだろうか。特に「赤土」で播種機を使うのは難しいのではないだろうか。
ホウレンソウは量的にはそんなに必要でなかったので、播種機など必要とせず、手蒔きだったが、手蒔きではどうもホウレンソウがうまく作れず、仕方なく定植という方法を選択してきた。
その時、288穴ではなく144穴の発砲スチロールの連結ポットを利用していたので、ホウレンソウをポットからうまく引き抜くことができず、フォークを利用していたので、なおのこと手間がかかった。それを黒マルチに定植していたので、さらに手間がかかった。
ホウレンソウに黒マルチなど必要ないと言われた。
ポットが小さいと根が早く絡まり、ポットから抜きやすい。ボクは288穴の連結ポットがあることをつい最近まで知らなかった。
ただ、288穴の連結ポットで育苗するには、
(1)肥切れを起こすので、育苗途中から潅水時に市販の液肥を使った方がよい。
(2)コオロギに苗を食べられるから、これが要注意。コオロギには、
イ、家のかど先など、コオロギの少ない所で育苗する。
ロ、夜間は防虫ネットをかぶせる。
ハ、収穫コンテナに渡し板を置いて、少し高い所で育苗する。
二、 デナポンベイトという農薬で防ぐ。
ナバナやロケットのアブラナ科野菜は発芽率が良く、288穴の連結ポットの中で根がよく絡まって、おもしろいように手で引きぬけるが、どうもホウレンソウは根の絡みがそれほどでなく、発芽率もアブラナ科野菜に比べてかなり劣るような気がする。
昨日はホウレンソウを定植したが、今日のロケットのようには、スムーズに引き抜けなかった。発芽率が悪く、2粒蒔きしたのに欠株や1本の苗立ちが多く、それがうまく引き抜けなかった原因かもしれない。ナバナやロケットはほとんど発芽して2本立ちが多く、それで引き抜きやすかったのだろう。
この点はまた宇野さんに聞いておきます。
宇野さんが言われる通り、定植という方法でも、播種機を使う方法と比べてあまり見劣りはしないのではないかと、今日、ロケットを定植しながら思った。
土の量は、144穴の連結ポット2ケースの土で288穴は3ケース蒔ける。
定植という方法は、収穫と仕分の段階で播種機に追いつき、草の管理がしやすいのがポイントと言われる。播種機の場合は草が問題になるが、定植では草はほとんど問題にならない。
ホウレンソウを定植など、ずっと「アウトサイダー」だと思っていたが、ボクとは桁違いの売上の宇野さんでもそうかと思うと、何か、背中を押されたような気がする。
同じく古希を迎えられた赤磐市のKさんも大変な実績の持ち主であり、秋冬作ではホウレンソウをメインにされているが、播種機は使われておらず、直播きだが、黒マルチに等間隔に穴をあけて、そこに種を落とすという方法をとられている。