点字本伏せると指に来る寒さ
残された倖せ指で読む光り
貧乏のどん底にいる肩の凝り
肩揉みの手を休ませるいい話
新薬が過去の視力を惜しませる
母の背があたたかかった子守唄
子を連れた客へ羊羹うすく切り
春の泥廊下で猫が叱られる
猫貰う約束へ名もつけてくれ
点字打つ夜更け隣に気を遣い
駅弁の訛り故郷近くなり
秋灯火妻も何やら読む気配
渡辺白虎さんの略歴
明治36年7月福島県生れ。昭和5年11月北柳吟社入会。『浮雲』第一集(昭和15年)、『浮雲』第二集(昭和35年)、『浮雲』第三集(昭和45年)、『浮雲』第四集(昭和55年)出詠。
残された倖せ指で読む光り
貧乏のどん底にいる肩の凝り
肩揉みの手を休ませるいい話
新薬が過去の視力を惜しませる
母の背があたたかかった子守唄
子を連れた客へ羊羹うすく切り
春の泥廊下で猫が叱られる
猫貰う約束へ名もつけてくれ
点字打つ夜更け隣に気を遣い
駅弁の訛り故郷近くなり
秋灯火妻も何やら読む気配
渡辺白虎さんの略歴
明治36年7月福島県生れ。昭和5年11月北柳吟社入会。『浮雲』第一集(昭和15年)、『浮雲』第二集(昭和35年)、『浮雲』第三集(昭和45年)、『浮雲』第四集(昭和55年)出詠。