子の小さな肩にも世相のしかかり
ブランコに揺れてこの子も一人ぼち
足切って足に目方のあるを知り
ふるさとの聞きたいニュース短かすぎ
試歩の道知らない声に労わられ
カサコソと義肢に声あり落葉道
水溜り覗けば底にある宇宙
苦も楽もなく骨箱の中の妻
吾は盲耳を目にして道を行く
点字読むその口にさへ麻痺が来る
面会に義肢穿いて見せ脱いで見せ
早川三四郎さんの略歴
松丘保養園 明治35年1月秋田県生れ。昭和5年10月北柳吟社入会。『浮雲』第二集(昭和35年)『浮雲』第三集(昭和45年)に採録。
ブランコに揺れてこの子も一人ぼち
足切って足に目方のあるを知り
ふるさとの聞きたいニュース短かすぎ
試歩の道知らない声に労わられ
カサコソと義肢に声あり落葉道
水溜り覗けば底にある宇宙
苦も楽もなく骨箱の中の妻
吾は盲耳を目にして道を行く
点字読むその口にさへ麻痺が来る
面会に義肢穿いて見せ脱いで見せ
早川三四郎さんの略歴
松丘保養園 明治35年1月秋田県生れ。昭和5年10月北柳吟社入会。『浮雲』第二集(昭和35年)『浮雲』第三集(昭和45年)に採録。