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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

都市住民、それぞれの農業



 「人と比較しない」ことを、絶えず自分に言い聞かせながら農業をしてきた。比較すると、自分が落ち込むから。

ひとつ例を上げると「鳥小屋」を自分で建てる人が多い。

鳥小屋くらい、ちょっと人のを見て、教えてもらったら立てれると農業仲間が言う。

実際、鳥小屋を建ててもらったのは、知る範囲では、なんと「ぼく1人」である。



30年余り前、農業を始めるにあたって、数十羽のニワトリを飼う人が多かった。

そのころ、自然卵養鶏のバイブルと言われた中島正さんの著書「自然卵養鶏」を読んで、ぼくもこんな飼い方で、こんな鶏舎を立てたいと思い、本に出ていた通りの鶏舎を大工さんに頼んだ。・・・丸太柱にトタンの片屋根、四面オール解放の金網鶏舎を。



ところが、農業を始めたから出合うことになった、6人の都市住民(岡山で農業をするために都会から移り住んで来た人)は、6人とも ”自分で” 鶏舎を立てた。

もともとの田舎住民ではなく、都市住民なのに鶏舎が自分で建てれる・・・

これを現実に見せつけられると、「能力の差」を強く意識させられた。その頃からずっと「他人と自分を比較しない」と常に言い聞かせるようになった。

自分のいい面、得意な面だけを見ていこうと。

大げさに言えば、そのぎりぎりのところで進退(勝負)をかけてきた。



当時創刊された「百姓天国」という本の第一集で、都市住民のNさんが、農業をするために岡山へ入植するという記事を読んで、さっそく、入植された場所を訪ねた。

山道に入ってから、行けども行けども民家らしきものが見えず、片方は崖で、片方は眼下20~30メートルほどの見おろすのも怖いような広大な池で、崖沿いにやっと車が通れるくらいの道がついていた。

だから何度も、もう引き返そうと思ったが、この道で間違いないはずだからと3~4キロ行った先に、もうすっかり棄てられたはずの「茅葺屋根の民家」が見えてきた時には感動した。夏草にむせかえるような盛夏の日だった。



こんな場所を選択して入植してくる人もいるんだ。住めるとイメージできたから入植してきたのだろう。

そのNさんに紹介されて、都会から岡山に入植してきた他の人たちを知ることになったが、「都市住民なのに大工仕事が得意」という面を、各地を訪問するたびに見せつけられた。

ぼくの最も苦手とすることだったから、「比較はしない」と肝に銘じた。



その当時に出会った6人の都市住民も、それぞれの地で、30年の歳月が過ぎて60代に入った。

Nさんは鶏、野菜、稲作の大規模農家に変身した。

もうひとりは、十数年後、出身地の大阪へ帰られた。

もうひとりは、農業ではなく、その後すぐに学習塾で生計を立てられるようになった。

もうひとりは、木工を主体にされていたが、今は福祉の支援業務をされている。

もうひとりは、ニワトリが主体だったが、今は果樹を主体にされている。

もうひとりは、腰をいためて、県内の他の場所に移られた。



4人の人とは今も時々会っている。

この内、農業後継者がいるのは、学習塾で生計を立てられた人の息子さんが、勤めていた会社を辞め、果樹専門農家となった一人だけである。



都市住民の それぞれの農業 それぞれの田舎暮らし



2030年 農業の旅→ranking



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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