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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

ヤギ導入は「青春の誤り」だった

  
 
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ヤギは「青春の誤り」の一つだった。今後の人生はその誤りを背負って生きていくことになる。

でも58才という年齢だから背負っていくこともできる。もっと若かったら、とても背負いきれず、処分を依頼しただろう。

ミツバチ、カイコ、ニワトリという他の3種類の家畜なら処分は簡単だが、現実問題としてヤギの処分は簡単ではない。

ヤギは激しい感情と個性と気性を持っている。2年半ほど飼ってきて、それがひしひしと伝わってくる。それはペットとしての機能をかなり保持していることにつながるが、犬や猫ほどの賢さはない。


ボクも「ヤギ飼育」という甘い誘惑に騙された一人である。それは「農業新聞」や「ヤギを飼っている農業者」や「ヤギを飼っている人のブログ」に、まんまと騙されたのである。

そして自分もブログによって、騙された以上に「多くの訪問者を結果的に騙した」かもしれない。

ヤギはメリットが少なく想像以上に手がかかる家畜である。このことを潜在意識下に感じたから、50代の後半になるまで飼えなかった。

メリットが少ないならまだしも、逆に「金銭的持ち出し」の多い家畜と思う。ヤギ小屋、ヤギグッズ、獣医さんへの依頼等。 


放牧的飼い方なら「ヤギの糞尿(堆肥)」はほとんど取れないし、小屋飼育をするなら「拘束している」という感情が飼育者につきまとうかも知れない。

ヤギは「草刈効果」どころか、放牧場の草も食べず、ボクが草刈機で刈っているのが現実である。ヤギは清潔好きで、自分の糞尿のかかった草は食べないし、食べる物が多ければ、好きな草しか食べないので、ヤギの除草効果はほとんどゼロと思った方がよい。

ペットなら、犬や猫のように人間に懐けばいいものを、なかなか言うことを聞かず、学習能力も低く、感情の起伏が大きいわりにバカな面も目立つ。

自給自足の要みたいに捉えられることもあるヤギだが、ヤギ代は無料だったにもかかわらず、軽く10万円を超える支出になっている。

「ブログ」や「ヤギのいる牧歌的風景」を見れば、誰でも騙される。ボクも本当にそうだった。物事には裏表両方があるのに「ヤギの否定的側面」を赤裸々に書いている人に出会えなかった。

(1)放牧的飼い方なら、ヤギの糞尿(堆肥)はとれない。

(2)ヤギは自給どころか、以外と持ち出し(支出)が多い。

(3)平均寿命が長く、飼い続けることが負担になることも多いと思える。

(4)ヤギのペット能力は低い。飼ってみてそれがよくわかる。

(5)除草目的で飼うのか、肥料(糞尿)をとるために飼うのか、ペット目的か、それともヤギ乳が目的か。能力はどれも乏しい。あるとすれば風景効果くらい。

(6)ヤギ乳を飲むには、ハードルを幾つも越える必要があり、ボクはその途中で挫折してしまった。
※ヤギ乳を飲むには大型のザーネン種が望ましい。

※大型だと戸外への連れ出し、連れ戻しが難しい場合も多い。

※種付け料も最低5千円はかかるだろうし、オスを連れてきてもらえば1万円はかかるだろう。

※妊娠や出産の過程で獣医さんに頼まなければならないことも出てくる。かなりの支出になるだろう。

※子ヤギが生まれても、独力で販路を見つけるのは難しい。つまり「望まれない出産」と捉えておいた方がいい。

※オスが生まれるかメスが生まれるか可能性は半々である。オスの場合は引き取り先を見つけるのがなお難しいだろう。

※売るにはオスの場合、除角や去勢が必要になることも多い。素人の場合、自分でするのは無理。

※除角や去勢は飼育者にも「つらい」ものであり、ヤギにはもっと大きい負担を伴う。

※そこまでしてやっとやっとヤギ乳が飲める状態にこぎつけれても、慣れるまでは乳搾りは難しいし、ヤギも嫌がるし、それに伴う「厖大な時間」も伴うが、それは全く収入につながるものではない。そんな牧歌的な時間があなたにとれますか。

その行程をひとつひとつ積み上げていかなければ「ヤギの何たるか」が自分にはつかめれなかった。頭ではうすうすわかっていても、現場で体験するまで実感として迫ってこなかった。

ヤギに振り回されて2年と6か月が来ようとしている。この間ほとんど出歩くこともできず、ゆっくりすることもできなかった。ヤギから離れたいと思っても、ヤギがいつもそばにいる。そしてこの状態はヤギの寿命がある限り続く。


ヤギ飼育という「青春の誤り」を背負いながら生きていく覚悟はできている。58才という年齢だからできる。もっと若ければヤギの処分をせざるをえなかっただろう。

ニワトリのような「くず野菜のリサイクル効果」も「卵が食べれる効果」も「鶏糞が取れる効果」もヤギにはないし、ニワトリのエサ代以上に、ヤギに関する諸々の支出は多い。

ヤギにあるのは風景効果くらい。癒し効果より負担の方が大きい。

そんなに否定すればヤギが悲しむ。でもその現実こそ、ブログの訪問者に伝えたい。 それでも、朝夕の村道の電柵の開閉と、朝夕のニワトリのエサやり(夕方1回だけの場合もある)もあるので、ヤギの負担は3分の1に軽減されている。

ヤギにエサ代はかからないし、暑い時期の今は、夕方の1~2時間だけ外に連れ出し、たっぷり青菜(雑草)を食べさせればそれで十分である。他の時間は3アールの放牧場の中で自由気ままに過ごしている。

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コメント

はじめまして

「地域マネジメント法人」を検索していて、このブログに至りました。共感共鳴することが多く勉強になりました。
娘が「ヤギ」を飼いたいという事があります。私も風景的に惹かれますが、とても参考になる記事でした。ありがとうございます。

やぎも大変なんですね!

  • 2011/07/15(金) 15:18:00 |
  • URL |
  • コウイチ #SFo5/nok
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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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