
やっとカイコの繭作りが始まった。今朝みたら1個だけできていた。夕方にはかなりのカイコが糸をを吐き始めていた。
同時に飼い始めた一人は、すでに大半のカイコが繭になったと言われる。
316頭しかいないのに桑の葉の食べっぷりに日々、驚かされた。火曜日に軽四でかなりの量の桑をもらってきて、1枚の葉も粗末にしないように与えたが、今日までの3日間で全部たいらげてしまった。



多分、明日朝には3分の1ほどのカイコが繭作りを始めていると思う。3日後の日曜日には大半のカイコが繭になっているだろう。明日からの桑の葉は少しで足りると思うので何とか間に合う。
「糞掃除」と「新しい桑の葉を与える」という10~15分ほどの作業だが、生き物に触れることは気持ちが安らぐ。
カイコの素晴らしい点は、「エサが完全自給」であることと、300頭ほど飼うなら何の設備投資もいらないという2点である。来年は桑の木の育ち具合を見てカイコの頭数を決めたい。
桑の葉が足らなくなった時、ニワトリに与えて少し「間引こう」と思ったが、「生き物」を餌にすることはできなかった。繭の中で「さなぎ」の状態になったら、命をもらうことにカイコの時ほど抵抗は感じないだろう。天日乾燥して「乾し繭」にしようと思っている。



カイコの肌はひんやりして吸盤のように手にひっつく。稲の苗箱に30頭ずつというのがちょうど手頃だった。
右の画像のように、桑の葉を給餌したあと、竹の笹を置いた。4センチ角の連結ポットに入って繭作りをしてくれるカイコばかりではないので、他の選択肢も用意した。
ニワトリ飼育はすでに21年目であるが、カイコもヤギもミツバチも10年続ければ、「何か」がわかるだろう。カイコにはほとんど手間はかからない。ヤギも慣れれば手間は随分と少なくなる。ミツバチだけはどうしても時間がかかる。巣箱の見まわりだけであるが、ヤギの世話以上の時間がかかっている(かけている)。3日に1回くらいの見回りでも別に問題はないのに・・・。
カイコは古(いにしえ)からの生き物である。カイコを飼育することによって、古の人たちと同じような時間を共有できる。
その昔、シルクロード(絹の道)で世界史をリードし、戦前までは日本の輸出産業を支えた。教科書の中だけのカイコが、現実の姿となって田んぼの物置にいると、それだけで悠久の歴史を感じることができる。それもたった30日間ほど(正味は5齢の8日間のみ)、1日10~15分の世話だけで。