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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  辻瀬則世さん(2)



何か身に湧きくる思ふ知覚なき指に伸びたる爪切られつつ




看護婦の私服の身際に座り居る吾よ卑屈に堕ちゆくなかれ




さげすみに堪えきし
忿いかりはりつめて杖にて探りゆく風塵の道





ゴム紐やチャックを附けし物を着つつ手萎えし今の不自由に馴れ居ぬ




春の夜の潮のふくらみを桟橋の上より浸しし盲杖に感ず




移りゆく雲の翳りをやわらかく瞼に覚ゆる日溜りに居り




世に出づる希ひ持ちてゐむ癩院の子等はひたすら夜学にはげむ




雨傘に文字書く君の傍に渋の匂ひを親しみてゐつ
「渋の匂ひ」とグーグルで検索したら、柿渋に含まれる柿タンニンが加齢臭の元を除去する柿渋石鹸と出ていた。当時も柿渋石鹸があったのだろうか。




母の側に居る如く思ふ盲われ骨とりくれし魚食ひつつ




若き日よ癩の癒えなば陶工として世に出でむ希ひもちゐし




登り窯のあり処ならむと坂を踏めば記憶の中に焼土にほふ




嘗てわが造りし花瓶のいくつかが愛生焼の名もて友園にあり




生きてゆくだけでもすでに尊しと言はるる癩の一人か吾も



辻瀬則世(恒春・津志多)さんの略歴
大正11年生まれ。昭和12年11月30日長島愛生園入園。「アララギ」所属。昭和29年6月2日逝去。享年32。『青磁』(昭和26年)『小島に生きる』(昭和27年)『あらくさ』(昭和30年)『陸の中の島』(1956年)『ハンセン療養所歌人全集』(昭和63年)


2030年 農業の旅→ranking

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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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