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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

農協、大規模営農へ転換


鳥インフルエンザに対して、大規模養鶏場は手の打ちようがない状態である。今以上のセキュリティは無理だと思う。多くはウインドレス鶏舎で外部との接触は断たれているはずなのに、発生がとまらない。

逆に、30羽養鶏は全く、鳥インフルエンザの発生源にはなっていない。


大規模農業もこれと同じことが言える。気象変動等のセキュリティの面からは決していい方向ではなく、日本の風土には適さず、環境破壊的であり、経済的側面だけの農業につながりやすい。


農協は、集落ごとに専業農家や法人、集落営農に農地を集積、20~30ヘクタール規模の「1集落1担い手経営体」をつくることを打ち出した。(農業新聞3月5日) 


いくら国内で大規模化をしても、海外ではそれが1個人の規模であったり、労働賃金が低く、とても海外競争力はない。

結局、補助金だ、関税だという従来の方向から脱却はできない。 

そして、競争力の名のもとに、ますます大規模化をめざし、新たな「圃場整備(畔や段差をなくし、1区画の田んぼをもっと広くする)」もすぐに浮上してくるだろう。

どのように農政を変えても「国産の農産物の競争力は劣る」という認識をはっきり持つ必要がある。

大規模農業や農業法人、集落営農に農政転換をしても、何ら農業を守ることに通じず、補助金の受け皿としての機能しかない。  



だから全く違った方向から農業を攻めるしかないのである。

農業をビジネスと捉える事から脱却する方向に活路を見い出す。

農業を「労働市場から退場を余儀なくされた人たちの逃げ場もしくは再生場」と捉えるシステムである。

現に、正社員になれない34%の人の生きる道は、もはやこの国にはない。放置されたままか、もっと弱肉強食がすさまじくなる。

非正規労働者と農業者を同じと捉え、抜本的な税制の在り方や社会の在り方を変えていかないと、どの方向も行き詰まる。

今こそ、ベーシックインカム(全世代に一律の年金)が必要である。

ベーシックインカムで、「最低限の生活の保障」がされるなら、すべてを投げ打ってでも自給自足的な山村暮らしを始めたい人はたくさんいる。

人間にはこういう「逃げ場」がぜひ必要である。

今の社会は、経済的な逃げ場がない。

そして、ベーシックインカム的な思想が新聞紙上に全く取り上げられない状況もおかしい。日本の社会はすでに底が抜けてしまっているのに。


農業をビジネスとしてとらえる発想から超越できないだろうか。
 
農業は癒しであり、安らぎであり、逃げ場であり、自由な表現手段であり、環境問題であり、自然と一体になれる場所であり、技術ではなく生き方である。

35才の春、ある日突然、農業が脳裏にひらめいた時、大きな感動を覚えたのは農業のこういう側面を即座に認識したからだと思う。経済の側面から農業を捉えることはなかった。かといって我が家が資産家であったわけではなく、集落内ではむしろその逆の方だった。

農業がひらめいてから1年後(就農する1年前)に妻が定職につき、それが自分の中でベーシックインカムの役割を果たしてきた。

このベーシックインカムがなかったら自分の農業能力では農業の継続は難しかった。かといって再度、サラリーマンに転身できるほど甘い社会ではない。


ベーシックインカムが論じられる場合、1人年間80万という数字がしばしば取り上げられる。子供1人の3人家族なら80万×3人=240万円。夫婦2人なら160万、単身なら80万という数字である。

生活保護も子ども手当も各種所得控除も、そして農業所得補償のような各分野の補助金も全廃して、事務処理が最もシンプルで最も平等なベーシックインカムに統一する。その最低限の補償さえあれば、その他は徹底した弱肉強食の資本主義も許容できる。

欧米のような社会保障政策は今までできなかったのだから今後もできない。

ベーシックインカムのない、社会保障のための増税や消費税アップはますます格差を助長する。

農業を経済的側面から捉えるだけなら、今後も解決の糸口はない。大規模専業農家や農業法人、集落営農は国際競争力からは程遠く、補助金の受け皿と化す。これらの組織は旧ソ連のソフホーズやコルホーズと同じ運命をたどる。

農業は小さな独立自営農民が自給自足的な農業をめざす時に初めて、当人や家族の癒しや安らぎとなり、里山保全につながり、自然環境の保護につながり、自給率の概念が生きてくる。

歴史的視点から捉えても、大規模養鶏や大規模酪農、大規模農業は時代に逆行しており、各種病虫害や疫病、気象変動のリスクが高く、経済的側面だけの農業しかできず、補助金の受け皿となるだけで、国際競争力や自給率のアップにはつながらない。

休耕田や害獣対策は結局、ベーシックインカム的な政策で、農業の底辺を広げていくしかないと思う。農業には、労働市場から退場を余儀なくされた人たちの逃げ場や再生場としての機能が最も大切である。


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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