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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

農業の多面的機能

 
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今日は集落総出の池の土手の草刈りと、当方の田んぼの下にある集落共有田の草刈りがあった。

池の土手がきれいになると気持ちがいいし、害獣避けにもなる。共有田の方は、昔、「お大師講」や「お伊勢講」の費用に使っていたのだろう。
 
  
 

韓国や日本での発生状況を見て、鳥インフルエンザや口蹄疫の発生を防ぐことは難しいように思う。リスク回避は、一ヶ所での飼育頭数(羽数)を減らして、被害金額を最小限に留めるしか方策はないと思う。

飼育頭数や飼育羽数を増やさないと効率や採算が取れなくても、それでも頭数や羽数を減らすしかないと思う。

環境問題や家畜福祉の観点からも、21世紀は畑作や畜産の規模縮小が求められる世紀と思う。第一次産業に工業や商業と同じ規模拡大や採算や効率という資本主義を持ち込めばますます荒廃する。

第一次産業は生産性や自給率という農産物の供給の側面以外に、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、景観の形成等、多面的機能がある。

第一次産業に徹底した資本主義を持ち込めば、生産性以外の他の側面が破壊されてしまう。

加えて第一次産業には、多面的機能の他に「自分自身を癒す」という側面もある。第一次産業における資本主義路線の追求は「癒し」よりも「疎外」を増幅させる。


農業には、徹底したビジネス路線と、家庭菜園や定年帰農等、自給や楽しみや癒しを求める路線の、大きく分ければ2通りある。農業の多面的機能を支えているのは後者の方であり、前者の方はむしろ多面的機能を破壊する側面が大きいと思う。

この観点から、前者の農業に補助金を集中させても、全くいい結果にはならない。農業に徹底した資本主義を持ち込めば破壊しつくされる。この国の農業を土台で支えているのは兼業農家型(家庭菜園型)や定年帰農型の農業なのである。ただ、こういう人たちにも補助金を投入することは単なる「ばらまき」である。どちらの農業者にも補助金など出してはいけない。 
 

ボクはある意味、理想的な農業をしているし、理想的な農業と思えるものを追求している。

田んぼのくず野菜や雑草をリサイクルする少数の家畜を飼い、ランニングコストが大きくならないように設備投資や機械の購入を極力控え、規模を大きくせず、旬に忠実に、農閑期のある農業にして、里山に手を入れるような農業形態を心がけ(落ち葉集め、森林セラピーや里山歩き等のグリーンツーリズム)、農業景観を大切にし、直売所等には依存せずにできるだけ直接に顔の見える関係(直接取引)を主体にして、完全無農薬や完全無化学肥料のような路線とは一線を画して、自分の身体が負担にならないよう、近代科学の恩恵を少しは享受する。
 
農業の評価を稼いでいる金額だけでするなら、自分のような農業は論外である。しかし農業はビジネス以外の側面がまことに多い職業である。



2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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