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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  志樹逸馬さん


志樹逸馬さんは、私にハンセン病文学の扉を初めて、開いてくれた方です。


二十八年間



二十八年間

私はここで何をしていたというのだろう


あの日 私は中学制服に鞄一つさげて

ハンセン氏病療園に入った


盲目の人 全身腫物に爛れた人

ゆがんだ鼻

一つ鍋をかこんだ軽症な友人

松林の陰での読書

耕せば

陽光と影は私によりそって揺れ

緑も萌えた


友の多くを失い

私は病み衰えた

だが 渇きに飲む水は甘く

妻は側らにあった


私は一層 前かがみになり

短くなった指で 草をむしった

畑からころがり出てくる馬鈴薯に微笑んだ

生命へのいとしさをまし

友への懐しさをつのらせた


空は一つの尾根であった

光は一つの形を生む力であった

空気は一つのことばであった


唯みずからの生活を咀嚼するしか

すべての問にこたえる途はなく

このありのままの姿こそ その応答に等しいのだ


あの日の涙をとかした風が

今も この地上に立っている私の周辺に吹いていた










五月


青葉にめざめる

さわやかな風をすって

ぬれたおもいが

清水のような意欲を噴きあげる


鮮かなひかりが

全身にふりそそぎ

かぞえきれない


手のひらで

すくっても すくっても

こぼれる

あゝ 五月

私も

地上に萌える生命です











水をむ女


広い地上 貴方はどうして

私達病み汚れている者の集まる小さな島を

たった一つの職場と選んだのですか


黒く澄んだ瞳を持つ若い貴方に

純白の服を着せたのは 誰なのですか


この生命に掬まれる水の 今日も━━

冷たいかおりを親しみ

うちに・・・赤い血潮となる不思議をいぶかしみながら


あゝ貴方は何処から来た

この胸に顫える手を

じっと 私はみつめるばかりです

(1951年)




2030年 農業の旅→ranking








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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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