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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

山仕事(3回目)

  
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午後から3回目の山仕事をした。「山仕事=焼却」のようになっているが、山仕事をすれば木の切れ端がいっぱい出る。父母の世代では、どんな切れ端も家に持ち帰り、軒下等に収納しておき、風呂焚きやクドに利用したが、今は台所で木を利用することはないので、雑木は田んぼの一角で焼却処理するしかない。

ただ、単に燃やしてしまうことと、消し炭をとろうと意識して焼くことの間には大きな開きがある。去年の山仕事でも同様に焼却したが、ほとんど「灰」にしてしまった。それが今年は、少なくとも「4袋×15回=60袋」は確保して田んぼに入れようと、常に意識しながら焼却している。

1時半頃から3時頃まで、薪ストーブに使える部分はUさんにチェーンソーで輪切りしてもらい、その他の部分を3時頃から4時半過ぎまで1時間半かけて焼却する。

休まずにどんどんくべて(灰になるのを少なくするため)、火が下火になったら一気に水をかけて消す。

「くべる」という言葉をご存じですか。これは方言なのか共通語なのか知らないが、燃えている火の中に投入することを「くべる」と言う。 

「クド」も知らない人が多いと思う。ボクが子供の頃にはまだ「台所は土間」であり、その土間に「クド」が設置してあって、クドでご飯を炊いたり、お茶を沸かしたり、おかずを作ったりしていた。クドは並べて2つあった。クドと直角方向に五右衛門風呂の焚き口があった。つまり焚き口は3ヶ所あり、クドでは主に「割り木」を使い、五右衛門風呂では主に「下刈り」を使った。焚き付け用の落ち葉はその両方で使う。だから落ち葉(落ち葉置き場もあった)も、下刈り(細い枝や低木を1メートルほどの長さに切り揃えて縄で束にしたもの)も、太い薪(ナタで割って割り木にする)も、山仕事で発生した全てを家に持ち帰っていた。捨てたり、その場所で燃やしたりする「粗末」なことはしなかった。

山仕事には、老若男女すべてにできる仕事があった。だから子供でも大いに役に立った。 

これらのことは、たった50年ほど前のことなのに、そんな時代背景を共有できる人はすでに50代後半の世代くらいまでである。


山の木が不必要になってから、山は荒れ放題。

荒れ放題になって1年後にはもうマツタケが生えなくなり、山ナスビ(今のブルーベリーにそっくりな実)は実をつけなくなり、マツ枯れが生じるようになった。そして現在は「ナラ枯れ」という大問題も引き起こしている。これらはすべて「山が荒れ放題」になったことに起因する。

これは一つの「産業革命」だったのだから仕方がない。

このようにして日本全国の「里山」は放棄されていった。だから名古屋で開かれたCOP10で日本が唱えた「里山イニシアティブ」は滑稽だった。放棄されてすでに50年近く経過しているのだから。


人間は2千年以上にわたって、山の恩恵を受けながら生きてきた。山の恩恵がなければ生活していくこともできなかった。豊かな森林は木の実やキノコを育てて人間の食に提供し、大雨が降っても根に水を蓄えて洪水を防ぎ、谷川の美しい豊かな水量は、のぼって来る魚の宝庫となった。

だから人間のDNAには「森の生活」が刻まれているのに、50年ほど前の産業革命(火の革命)によって、山から追い出されて(山に依存する必要がなくなり)、山仕事の楽しみも癒しも奪われてしまった。その代用が「森林セラピー」や「里山ウオーク」である。


人間が放棄した山には野生動物も住めなくなり、奥山を捨てて里山に進出してきた。そして里山を根城にしながら夜な夜な平野に出没するようになった。


山(森林)の崩壊は環境問題を引き起こす。山の生態系も山の多様性も人間が手を加えなくなって喪失してしまった。

里山を生かした自給自足的な生活に復帰できる道はもうないのだろうか。それとも、近代文明が行き詰まり「歴史は繰り返す」のだろうか。

農業、雇用、環境を改善するには「ベーシックインカムで自給自足」という革命を起こすしかないと思う。

企業組織は激務や差別や格差しかもたらさない。

資本主義の次に来る政治経済システムを、古くて新しい「自給自足主義」にしなければ地球はもたないだろう。
     
 


2030年 農業の旅→ranking



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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