時々、もらってすごくうれしいメールがある。
それは自分の経験が生きると思える時。
ワンパック野菜の鮮度保持についての同業者からのご質問でした。
箇条書きで書かせてもらいます。
※真夏でもクール宅急便は使ったことはない。鮮度は十分保てる。イタリア料理店(京都、大阪、神戸)に送るのは、ほとんど葉物(ハーブ)ですが、それでも鮮度に関してクレームが入ったことはない。
※個人用でクレームがあったのは20年ほどの間で数回だけ。「ニラ」と「レタス」の腐敗だった。
※当日の朝8時頃までに(朝陽があたりだす前に)全ての収穫を終える。
※朝露でぬれていても、レタスやスイートバジルを除き、ジョロでさっと打ち水をする。
※ポリ袋は使わず新聞紙で包むだけにした方がよい。ジョロで打ち水をしているので新聞紙が適度に湿る。
※収穫後は、外気に長く触れたり、風にあたったりすると萎えるので、できるだけ早く仕分けをして新聞紙で包む。つまりすべての収穫が終わったら、どこかの日蔭ですぐに仕分けに着手する。ワンパック宅配の場合、収穫と仕分けの間隔はできるだけ開けないようにする。
※収穫に1時間かかれば、ボードン袋の袋詰めには同じく1時間かかるが、新聞紙で包むなら半分の30分でできる。ワンパックで送る場合は、ポリ袋類はいっさい使わない方がいいと思う。蒸れるような気がする。
※収穫と仕分けの2回、短時間触れるだけで、収穫物にはできるだけ手を触れないようにしている。
※6時~8時の2時間で収穫、8時~9時半で仕分け。最盛期でも1日に送るワンパック数は7個ほどで、8個送るのは身体的にきつかった。
※仕分けが終わったら家に帰るが、軽四の車庫に入れたら、暑さ避け(車庫はトタン屋根なので)と湿度保持(乾燥防止)のために、荷物に「筵(ムシロ)」を2枚かぶせている。
※食事をした後、納品書、振込用紙、送り状を書いて、昼寝をして、2時半~4時頃に在庫野菜のタマネギ、ジャガイモ等の仕分けと箱詰めをして宅急便の営業所へ持参していた。
※宅急便はたくさんあるが、「クロネコヤマト」は荷の取り扱いが丁寧だと思う。宅急便の営業所はクーラーが効いているし、2時以降に持参すると、走るのは夜間なので、昼間に走るのより、鮮度保持の観点からは随分影響があると思う。
※大雨以外は、雨の日でもワンパックを休んだことはない。晴れた日の収穫に比べて日持ちは短いが、顧客に届いた時の鮮度はさほど見劣りはしないと思う。鮮度に影響するのは「葉野菜」だけで、エンサイ、ツルムラサキ、青シソに関しては鮮度の低下は少ないと思う。ただ、「ニラ」と「レタス」だけは劣化しやすい。
※雨で泥だらけにならない限り、葉野菜でも根菜類でも野菜は洗ったことがない。ワンパック宅配の場合、野菜を洗うことは禁物だと思う。ジョロで打ち水をするだけ。直売所出荷でも野菜は洗っていない。汚れている時はさっとジョロで流している。
※アブラナ科野菜だけは初期に1回(虫害の多い時は2回)の農薬を使っているが、40日以上経過してから出荷(間引き菜は出荷しない)するので、その間に雨で流亡すると思うので洗ってはいない。
※春夏作でも秋冬作でも120サイズの箱を使っている。縦33センチ、横58センチ、高さ27センチで、両サイドに4センチ×10センチの比較的大きな空気穴が2つずつあいている。持ち運びのために手を入れる箇所も3センチ×7センチの穴が開いているので合計で6箇所の空気穴が開いている。この空気穴は重要な役目をしていると思う。
※春夏作は送る日の朝に収穫するが、厳寒期には、送るパック数の多い時は葉物以外は前日の夕方に収穫と仕分けを済ませるようにした。
(春夏作)
タマネギ(250円)
ジャガイモ(200円)
キュウリ(200円)
ナスビ(250円
ピーマン(200円)
オクラ(250円)
ナンキン(250円)
ニガウリ(150円)
エンサイ(150円)
ツルムラサキ(200円)
(その他)、インゲン、ニンジン、トウガン、ミョウガ
(サービス品)、ニンニク、青シソ、ハーブティ用ハーブ、バジル
合計・・・中身2400円+送料800円=3200円
(秋冬作)
ハクサイ(250円)
キャベツ(150円)
ダイコン(2本250円)
カブ(150円)
ニンジン(250円)
サトイモ(400円)
ネギ・シュンギク(250円)
ホウレンソウ(250円)
レタス(150円)
サツマイモ(300円)
(その他)ブロッコリー、キクイモ
(サービス品)ハーブティ用ハーブ他
合計・・・中身2400円+送料800円=3200円
毎年3月、4月の2ヶ月間はワンパックは休んでいる。今年は水不足(雨不足)で、サトイモとニンジンを失敗し、10月以後、ワンパックは送れなくなった。最低でも10種類は揃わないとワンパックは送りづらい。1種類の失敗はまだしも2種類も失敗すると致命的。1種類の失敗でも他の野菜にその「しわ寄せ」がいく。
ワンパックは送れないが、直売所には出せる。ワンパックと直売所は出荷形態が全然異なるが、多少きつくても「並行処理」をすればよかったと今頃になって思う。
5年前ほど前に直売所オープンの広告が大々的にあったのに、それに乗ろうとしなかった。それと同業者との付き合いが狭く、直売所出荷の人とほとんど接点がなく、直売所状況を皆目知らなかった。
ワンパックの他に直売所があれば、得意な作物は少し多く作り、それを直売所に出したらいいし、ワンパックで余った時に残りを直売所にまわせる。