こんなに害獣が出没すると、技術の研鑽どころではなくなる。農業転身の第一のハードルは「防御力」になってしまう。21年前に今のような現実だったら、自分の場合は農業参入にもっと躊躇しただろう。
農業の戸別所得補償は、事務処理が煩雑で複雑で大変だろうと思う。これに係る人件費を考えたら、とても賛成はできない。
戸別所得補償は、既存の農家しか支援できない。誰でも簡単に農業に新規参入できる制度は、ベーシックインカムで最低限の生活が保障される場合だけである。
農業のすそ野を広くしないと、里山も環境も守れない。大規模農家は里山維持にも環境保全にもどちらにも貢献していない。定年帰農型の人の方が貢献度ははるかに高い。
国の自給率とは一体何だ。そんな数字を取り上げてみたところで意味がない。食糧問題は一人一人ができる範囲で自給しながら自身の食糧の自己防衛が必要だと思う。
ドイツには過疎問題がないという。どういう施策が取られているのだろうか。
生物多様性が失われたのは農業の分野で、専門化、大量化、分業化、機械化、化学化が推し進められたからである。
農作物の完全自由化(TPP)に何故反対するのだろうか。
関税を全廃する自由貿易圏構想に、民主党内にも「農山漁村の雇用や所得が失われ、地域経済だけでなく、地域社会そのものが崩壊しかねない」と公然と異を唱える人もいる。・・・全然そんなことはないと思う。かえって恩恵の方が多いと思う。すでに農村地帯でも農業収入に依存している人はごく少ない。そして自由化されて困るような農業をしている人も自分の知る範囲では1人もいない。逆に「市場にあまり影響されない農業」をしている。
もう45年以上にわたって農業は斜陽産業なのだから、現在の農業者はとっくにそれくらいの自己防衛はできている。自由化に反対しているのは農業者ではなく、既得権益を代表する農林関係議員。