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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

すでに集落の農業は壊れつつある

    
 
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去年はハーブを増やすことに時間を費やしたが、今年は増やしたハーブを減らすために、去年以上の時間を取られている。

画像に見える5列にほとんどのハーブを移した。
レモンバーム・レモンバーベナ・レモングラス
コモンタイム・レモンタイム
スペアミント・アップルミント・ブラックミント
セイジ
ルバーブ
ステビア
ニラ
他の場所にローズマリー、スイートバジル、ロケットがある。ディル、チャービル、イタリアンパセリは止めることにした。


ミツバチが3群とも元気に出入りしているのを見るとうれしくなる。ペットボトルに入った間抜けなスズメバチを見るのも楽しみ。
 


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コメントを頂いたのでそれに関して。

農業で収入をあげるのは本当に難しい。夫婦で農業をしている人を見ると、「ようやるなあ」と感心する。

23~25年ほど前、農業をするために都会から岡山県に来られた自分と同世代の6軒の家族を知っているが、現在も専業農家として続けられているのは、そのうちの2家族のみで、2家族は農業をやめて、元の都会に帰られた。残りの2家族は農業以外の収入で生活をされている。農業で食べていくことはそれくらい厳しい。

自分の場合、就農準備期間中に家人に運よく定職が決まって、それが就農への大きな後押しとなった。夫婦でしている人は主になる方の農業能力が極めて高い。ボクは夫婦で農業をすることは最初から考えたことはない。絶対に食べれないと思った。子供がもう少し大きくなったら(当時7才と5才)、パートにでも行ってくれるだろうと期待した。

つまり、農業がひらめいた時「一人農業」しかイメージできなかった。


30代の前半まで転職を繰り返していたので、「突然、農業がひらめいた」時の感動は今でも覚えている。農業では食べれないことはすでに常識だったから。

65才になったら84万円ほどの年金がもらえるので、「あと7年半」という数字が頭の中によく浮かぶ。出荷農業をその頃まで続けざるをえない。

自分の小遣い、集落や親戚の冠婚葬祭費、食料品や日用品の買い物(スーパーで週1~2回)、ライフラインの一部(家族で分担している)の出費があるので、年間100万ほどの手取り(売上-経費)にしたいが、どうしても届かない。
それでも、これくらい稼げばよいので農業が継続できている。手取り150万にしなければならないなら、自分の場合、農業は続けれない。かといって、他に働く場所など全くない。

農業で食べていける人は、何か特別に秀でた箇所がある。とても真似ができない。  
 

年に80万ほど年金のような形でもらえるなら、農業をしたい現役世代は相当に多いと思う。

誰もがみな「組織で働くこと」に向いているわけではない。組織に居場所ができている人はいいが、そうでない人は、何らかの自営業は夢だと思う。しかしこの国では「自営業」が成り立たなくなっているのではなかろうか。

農業くらいは、「簡単に参入できる自営業」として残しておいてほしいと思う。

挫折した時に「農業がある」とイメージできることは大切である。「逃げ場としての農業」が、今の世の中にはどうしても必要だと思う。

「農業では食えない」という潜在意識は「働く場所がない」という状況になった時、初めて越えれた壁だった。そういう人のためにベーシックインカム(年間80万ほどの現役世代の年金)があったらいいと思う。
 
自分の場合は元々の農家なので、家も田畑も農具も先生(父)も4拍子揃っていた。それでも農業で生活するのは難しい。


農業が嫌いという人も現実には多いだろうし、その人たちはもちろん農業以外の職業についたらよい。定年後に農業をしたいという人は20%ほどという統計が新聞に載っていたように思うが、意外と少ないんだなあと感じた。

団塊の世代の人は農業の厳しさを子供時代の経験で知っているから、逆にしたくないのかも知れない。
 
都会在住の人が農業を始めるにはハードルが多すぎるから、途中のハードルで息切れがする可能性もある。何かのきっかけと後押しがないと、その先に進めないかも知れない。

農業の経験もない
田んぼもない
農具もない
住む家もない
教えてくれる人もいない
稼げるだろうか
生活ができるだろうか
田舎の人間関係はどうなんだろう
買い物も不便
害獣も出るらしい
子供の教育にも支障があるかもしれない

これだけハードルがあったら誰でも二の足を踏む。こんな時、ベーシックインカムがあれば精神的な余裕ができる。年金世代が年金をあてにして生活しているのと同じである。


働きたくても働く場所がない、働きたくても気に入った職場がない。こんな状況の時に独立自営できる仕事があったらどんなに助かるだろう。それでも農業の自営は特別の才能がある人でないと難しいと思う。ベーシックインカムがあれば、農業が好きだが才能がない人が救われる。

現実には、今の補助金制度では、この国の農業はもたない。才能のある特定農業者に支援を集中するのではなく、小規模な自給自足型農業者を幅広くベーシックインカムで支援する方がはるかに効果的である。

特定農業者より家庭菜園型や定年帰農型の人の方が、環境や里山や農村風景の維持により貢献しているのではなかろうか。

とにかく、大規模から小規模へ、資本主義型農業から自給自足型農業への転換がない限り、自然や環境の維持はできない。これこそ21世紀の農業だと思う。

農業協同組合の歴史的役割もすでに終わった。これからはベーシックインカム(現役世代の基礎年金)で幅広く農業の新規参入を支援する時代である。

集落の農業はすでに壊れつつある。
 
2030年 農業の旅→ranking








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コメント

ベーシック

「あめんぼ」さんのベーシックインカムは農家に対する一律の所得補償のこと。と理解しました。技術的なこと、「何処から財源を」「補償農家の範囲」は考慮に入れずに思いますのに、実現のためには、「農業」を社会として特別な価値のあるものとする共通認識が必要だろうと考えました。特別扱いには特別であるとする理由がいる。それが、失業対策、癒し、行き詰まりを見せつつある資本主義に代わるものだけでは、他の業種も手を上げるでしょう。
農の持つ特別の意味とは何なんでしょうか。

  • 2010/10/02(土) 06:07:01 |
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  • 野良通信 #-
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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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