あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

栗生楽泉園  谺 雄二さん(5)



ふるさとへの唄


ボクの”ふるさと”は、

いったい、どこなのだろう。

草津高原の東のはずれ、

ライのこの尾根の秋の笹群の中にかがんで、

野グソをたれる。

落ちゆく夕陽が背に映えて、

そのせいか、胸の辺りがソクソクと寒く、

ねじれた哀しみが、しきりない。


ボクはここに育ち、

やがて老いる。

けれど、この尾根は、

やっぱりボクの”ふるさと”じゃない。

おのれの臭いまで異邦人めいて、

いやに、眼にしみる。


ここには八百の仲間が住み、

そして白根殺生おろしの季節のままに、

今日もいっせいに、

冷凍サンマを焼くけむりあげ、

自らの意思を火あぶりにする習慣。

あるいはすでに、俱会一処、

━━ここが、ふるさと━━と心に刻むひと。


でも、ボクは笹の葉で尻ぬぐいながら、

いくども、いくども叫ぶ。

”ふるさと”を探しあてたい!

ボクはそこに眠るチチハハの墓をあばいて、

いわれない偏見・差別に耐えすぎた、

その死を、せめてこの手に、

もういちどとりかえし、

ゆさぶり起して、鬼にしたい!


ようやく笹群から立ち、

まだ見ぬ、”ふるさと”への唄をうたう時、

恋しさと、ひたぶるな小さな勇気が、

またしてもボクを明日へ押しやる。

そうなんです、

ライだからこそ、

ボクは、この尾根の生まれじゃない!



2030年 農業の旅→ranking


このページのトップへ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

カウンター

QRコード

QR

検索フォーム