あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

栗生楽泉園  本間きよしさん(2)



山峡の四季


ぼくらの住家は

白根山を背中にして

小高い丘の上にある


赤い屋根の黒いトタンの家だ


春が来ると千二百米のぼくらの丘が動きだす

(ぜんまい、わらび、杉の子のフラダンス)

そして あの大きな白根山や浅間山までが

青白い雪の衣装をすべらし

ぼくらの内部の悲しみの涙をそっと拭ってくれる

だからぼくらは山のサンドイッチだ




カカッコ カカッコと

カッコウ鳥が鳴きながら

ぼくらの頭をよこぎる

それは夏の知らせである

ミンミン蝉がゲーゲー蝉が紅雀が

ぼくらの病窓にとまり

ぼくらの住家をのぞく

だからぼくらは蝉や雀たちとは兄弟なのだ




秋の知らせは悲しい

谷間に流れる湯川の面も

紅葉で真赤になる

やがて はらはらと音もなく

紅葉が散る




冬は訣別の季節である

あんなに大きかった白根山や浅間山は

すっぽりと雪におおわれ

頂きはいつも灰色の雲にかくれている

ぼくらの丘も雪にとざされて微動だもしない


カッコウ鳥もどこかの空の下で

カカッコと鳴きながら飛び去ってしまった


裸木はすっかり葉を落してしまい

ひゅう ひゅう と手ばなしで泣いているが

ぼくらは平和なこの自然の大地で

いつまでも抱かれていたい



本間きよ志(本間清)(本間きよし)さんの略歴
1933年5月22日栃木県に生まれる。1945年5月8日栗生楽泉園入所。自治会、全患協で活動する。1964年多摩全生園に転園。1955年頃より「高原」に評論などを多数発表している。1993年11月17日死去。


2030年 農業の旅→ranking

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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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