あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

多摩全生園  光岡芳枝さん(3)



日光の直射に堪へぬ身となりて帰り来りぬ臥床待つ家




いたく老いたる父と過しし五日間己れの老いは忘れてありし




ながらへて今ひとたびを来たきものと呟く如く父は言ひしか




四十余年の生涯に初めてあがなひし香水は我の小さきおごりか




春はやく歌集の上梓をみむと言ふ
よこの年は幸多くあれ




己れ貧しく術なき時に良き友等のちからは成りて出づる歌集「深冬」




療園にひそみて我が三十年今日旅に出づるとそぞろなる心




老いし父に会ふべく今日を遠く来て三十年ぶりに見る古里の村




駅停車はときの間にして車窓より遠ぞきて行く吾が生れし家




大学の制服がよく身につきて若き日の夫のさかしげな瞳





癩園に死するさだめと知らざりしセーラー服の妹が夫に凭り立つ




愛うすきわがはらからよ隠れ病むこのかなしみを何に訴へむ




われもまた健やかな手を持ちたりし余りに遠く過ぎ去りし日よ



光岡芳枝(山室のぶ子)さんの略歴
1911年3月2日東駿の農家の次女に生まれる。8歳ごろ発病。自宅療養に努めていたが、20歳の頃、小学校訓導だった姉が発病。昭和6年20歳のとき、姉とともに全生病院に入院。昭和11年
光岡良二と結婚。昭和15年「とほつびと」に入会し、山室のぶ子の名前で出詠。昭和51年5月13日逝去。『木がくれの実』(昭和28年)『陸の中の島』(1956年)『みづきの花』(昭和52年)『ハンセン療養所歌人全集』(昭和63年)


2030年 農業の旅→ranking

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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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