あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

多摩全生園  牧野静也さん



病室の高窓より差す冬の陽に巣箱と鳩の影が静けし




癩園に過ぎし十年の夢に出づる吾子は何時もオカッパのまま




今ぬぎし足袋のこはぜが灯の下に心を覗くごとく光れり




己が殻にひそみて物言ふことを知る不自由者寮の吾も安泰




自己かばふ言葉を吐きしのみなりき窓の裸木に叫ぶ夜の風




眠薬に友ねむりゐる昼日中おたまじゃくしは瓶に動けり




何も彼も面倒くさくなりてゐる病み古りし身を愛しめと言ふ




なまなまと今日の過失の思はるる傷つける手を胸の上に置く




感覚のなき手に母の死の便り握りしめ居て頼りなきもの




今日よりは母なき吾の体内をめぐれる癩のプロミン注射




銀杏の殻を火鉢に投げこみて炎見つむるわれは一眼




犬の子をひしと抱ける癩少女眼を上げることなく行けり



牧野静也さんの略歴
明治40年生まれ。昭和16年多摩全生園入園。「一路」所属。『木がくれの実』(昭和28年)『陸の中の島』(1956年)『輪唱』(昭和34年)『ハンセン療養所歌人全集』(昭和63年)


2030年 農業の旅→ranking

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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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