あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

多摩全生園  長谷川と志さん



(癩発病して入院せし当時を思ひ起して)
乳欲りて膝に寄る子を幾度か振り放ちたり生みの親吾れは




療院に吾が病み古りて子のもとにゆかむ思ひも今はうすらぐ




膝の穴開きたるモンペ薄き眼に白糸持ちてつくろひて見ぬ




(別離詠)

幼子の寝顔を見つつ療園に明日行く支度のわが手にぶりぬ




幼子を父母に委ねる姉われの行方をせつに質す弟




何時いつと癒ゆる日に希望かけて来しわれに離縁の便り届きぬ




追ひ来るを追ひ返し追ひ返し別れたる子が四十年ぶりに会ひに来ぬ




昏るるまで遊び呆けし少女の日浮かび来るなり月見草の花




朝朝にもの言ひながら茶を供ふ湯気にて夫の遺影がかすむ




帰れども待つ人のなき部屋くらく夫の遺影に一人もの言ふ




煙草喫ひテレビの前に座りゐし夫の浮びて夜半を覚めをり




夫の位牌抱きて移りし独身療今宵安けく眠らむとする




汝が病ひ癒えずば再び帰るなとあやまる如く父は言ひけり




病む故のわれの不幸を思ひつつ父母の墓前に嗚咽しやまぬ



長谷川と志(白鳥とし子)さんの略歴
明治42年静岡県生まれ。昭和10年4月全生病院入院。はじめ白鳥とし子で作歌したが中断。昭和58年7月、37年連れ添った夫が急逝したのを機に「勁草」に入社。作歌を再開。『木がくれの実』(昭和28年)『青葉の森』(昭和60年)『ハンセン療養所歌人全集』(昭和63年)


2030年 農業の旅→ranking

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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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