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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

断種は傷害罪


加賀田一さん「いつの日にか帰らん」P12~P14抜粋


 今の子供たちは学校の授業で男女の肉体の構造やら生殖、妊娠の仕組みなどについてきちんと教育を受けています。そんなことも聞いていたので、私は講演で「ワゼクトミー」という断種手術を受けた体験を話します。

 講演後、彼らは感想文を文集にして送ってくれますが、私のような老人の話をどんなふうに受けとめてくれたのか、感想文は私の社会活動への応答であり反応ですから、読むのは毎回楽しみです。

 岡山の私立の女子高校へは三年間続けて講演に行きましたが、そのときの感想文に私はつくづく現代の若い人のセンスに驚かされ感銘を受けました。感想文の一つに「断種というのはメスで身体を傷つけることです。だから傷害罪です」とあったのです。

 私は具体的な手術の話など一切していません。ワゼクトミーは輸精管の切除結紮による部分除去手術です。復活再生はできません。メスを使われた当事者である私には、女生徒のようなこういう発想はできませんでした。

 「国民優生法」が定められた背景には、当時、国策として「産めよ、殖やせよ」と出産が奨励されていたことがあります。健康な国民を生み増やすことが奨励されていました。にもかかわらず、私たちには断種、堕胎手術が執行されたのです。

 当時、国立らい療養所においては園長権限が治外法権のごとく認められていました。それは「懲戒検束権」として「癩予防法施行規則」に明文化されていました。入所者は基本的に患者なわけですが、その病人を秩序維持の名目で園内監獄に何日も閉じ込め、食事制限等の懲罰を加えることができる警察・司法権限を園長に与えていました。

 そのような場所だったから医師たちも断種、堕胎、さらには解剖など、思うままにできたのだと思います。しかし旧憲法下であってもそれは違法だったでしょう。堕胎については特に堕胎罪がありましたから、被害者の妊婦は犯罪者となり、処置した医師や看護婦だけでなく指示した園長は幇助罪どころか教唆強要罪の主犯となり、医師法を犯したことになります。


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
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