あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

火葬夫


加賀田一さん「いつの日にか帰らん」P80~P81抜粋


 それからもう一つ、患者が一番嫌がった作業が、亡くなった人の火葬でした。「本業」の人もいましたが、二人が組んでやる仕事なので、一人が病気でもすると召集令状が来ました。これも拒否できない仕事の一つでした。

 リヤカーに積んだ棺桶に友人たちがついて歩き、火葬場の前まで運ぶと、そこで患者さんのなかでお経が読める人が経文を一巻読み上げました。クリスチャンの場合は讃美歌を歌ってから、聖書の一節を読みました。それが葬式で、その後すぐに火葬に付されました。

 戦争末期の二月だったと記憶しています。私が火葬当番になった日、解剖室に遺体が四体積まれていました。亡くなると、遺体はすぐ解剖室に運びこまれます。重油のボイラーで焼くのですが、一日一人しか処理できません。それでやむなく下の畑で、同じようにお葬式をしてから野焼きをしました。この頃は木材も不足して、また死者に棺桶が間に合わないため、底板だけ残してあとは取り外してから焼きました。底板を除いた枠と蓋は持って帰って、次の人の底板にかぶせて使いました。厳粛であるべき人間の葬送がこんな風に営まれることの無残を思わずにはいられませんでした。


2030年 農業の旅→ranking



このページのトップへ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

カウンター

QRコード

QR

検索フォーム