あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  森岡康行さん(5)



一夜ねてけさ帰りゆくははそはと支給されたる朝餉を頒つ




この海に橋架かる日をわれは待つ隔離解かるる実感として




君逝きて競売となる盆栽に値札の下る寒風のなか




ななかまど芽の吹くさまは北国の君の言葉となりてよみがへる





ポリタンクのこの水すべて故里の井戸より姉の汲みてきしもの






ふるさとの井戸の水にて顔洗ふ四十五年の涙を洗ふ



森岡康行(広岡一夫)さんの略歴
昭和4年三重県生まれ。昭和15年秋小学5年生で発病。昭和15年9月6日長島愛生園に入園。昭和24年失明。昭和33年律子と結婚。同じ頃「形成」に入会。「潮汐」「未来」所属。昭和61年3月没。入江章子は実姉。『あらくさ』(昭和30年)『陸の中の島』(1956年)『あかつち』(昭和31年)『青芝』(昭和32年)『風光』(昭和43年)『海光』(昭和55年)『森岡康行遺歌集』(昭和62年)『ハンセン療養所歌人全集』(昭和63年)


(森岡康行さんの追悼短歌)

(金沢真吾さん)
康行つづきて由貴子消えわが足元を風吹きぬくる


(千葉修さん)
誰よりも若き康行逝かしめて誰が継ぐべしや守りゆくべしや



(近藤宏一さん)


ひとすじの道 故森岡康行氏を追悼する詩


   夏の太陽の下を

   風に真っ白なシャツをなびかせながら

   海辺の道を駆けてゆく 少年の姿

   消え去ることのない映像・・・・・

   長い時間の鼓動・・・・・


ああ 君は

いま その人生のひとすじ道を駆けて行った

精いっぱい 風のように駆けて行った


少年のころの発病

青年のころの失明 そして結婚

喜びと悲しみとを抱きしめて

しかし君は たえず燃えることを忘れなかった


例えば

手さぐりで育てあげた草花に 息をひそめて近より

その指先にさぐりえた露けきものは

どんなに美しいものであったろうか


人には誠実と柔和をもって臨み

まるで大地に刻みつけるように

生活のひとコマひとコマを 短歌にうたい

君は 決してふり向くことをしなかった


いや もしもふり向いたとしたら

それは残された半身への思いやりが

君の歩みをとどめたのにちがいない

君の歩みをとどめたのにちがいない


(「点字愛生」第110号 1986年6月)


近藤宏一さん1926年生れ 1938年入所
森岡康行さん1929年生れ 1940年入所



2030年 農業の旅→ranking


このページのトップへ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

カウンター

QRコード

QR

検索フォーム