あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  近藤宏一さん


鶴島哀歌


瀬戸の渦潮 見おろす丘に

石の十字架は 静かに眠る

流刑の鞭に 倒れし人の

悲しい祈りよ その声よ

ああ鶴島に

今日も蜜柑の 花散るばかり


うつし世遠く 捨てし心に

秘めて指繰る ロザリオひとつ

涙にぬれし 踏絵の御母に

捧げし誓いよ その魂よ

ああ鶴島に

今日も海鳥 さえずるばかり


巡る砂浜 たたずむ小道

しのぶ歴史に かげろう燃える

永遠とわの救いに 生命いのちをかけた

せつない願いよ その歌よ

ああ鶴島に

今日もひそかに 夕凪せまる


 私がこの歌をつくったのは、鶴島の殉教者と私達の間に、深い運命的な共感を禁じ得ないからであった。外出嫌いの私が「鶴島へ行こう」と友人に誘われた時、何の抵抗もなく即座に応じ得たのもこのためであった。

 五月十六日は朝から五月晴れ、海もまた鏡のそれであった。私達一行四十名を乗せた船は一路波を切って東方へ八キロ約五十分間、大きな期待に胸ふるわせる私にとってはそれも束の間、上陸した桟橋から続くコンクリートの道はすぐに石ころの上り道、同行の看護学院生徒の皆さんに導かれ、私達は蜜柑の花咲く丘をあえぎあえぎ、しかし久しぶりに開放されたような気分に満たされ、まるで子供のようにはしゃぎ合いながら登って行った。・・・・・

 我が国で初めて宗教の自由が保障されたのは明治六年。幸いにして肉体を保ち信仰を貫き通した鶴島の人々は、三年余の流刑から解放され、はればれとして故郷へ帰ったのであったが、鶴島に残る十二の魂は、結局我が国最後の殉教者となった訳である。


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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