あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  樹島雅治さん



時間


なめらかに

水は

過去を投影し

はかない追憶の風は

きびしい季節のうたを流す


この部屋にも戦争の傷が宙ぶらりんにかかっている

いや、それは

煤けた戦闘帽かもしれない

窓の黒いカアテンをあけ

青空は希望に疲れをみせ

その青空に

だんだん影の部分がはいって行く


弧を描き

たわむれる影

その空間を浸す

日没

日々のねがいと日没との隔り

ぼくらの飢え









下駄ばきでぶらり


何でも見てやろうと

無精髭に下駄ばきのまま

ぶらりと秋の島に到着した

島は夕焼が真赤に海をこがしていた

静かな路上は

緑の氷山のように

ひえびえとして

突然風が止んだような

谷底の出口のない沈黙に閉じこめられる

烈しく寒気にふるいあがった

その時

飢えた細菌の呻きをきいていたような


薄暮の部屋は

ガランとした光線がうす暗くよどんでいる

その光線の中で

ぼくたちは出合った

そうしてぼくは「らい」を知った

ぼくが誰れで

あなたたちは誰れか

会話のいかに困難かも知った

ぼくの意識の薄皮が

崩れていくのがわかった

しずかに小きざみに震えている自分

ぼくは動けない

あなたたちの応答を待つ

なかなか答えてくれない

夜の長い時間

タバコの赤い火が

あなたたちの顔を闇の中に浮かびあがらせる

ぼくはこの人達の味方なのか

それとも敵なのか

あなたたちの心に触れてみたい

だが手応えがない

こんな時間の夜があり

こんな会話の一日があろうとは想像もしなかった

その耐えた夜の時間は

夜明けにむかってくずれはじめた

小雨のなじみのない風景が窓にうつる

  朝

ゆがんだ鏡の中の無精髭の自分の顔を

ぼくの人生においてかつてなかったほど

やつれているのをみつめた




2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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