あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  島田等(しまだひとし)さん


岸打つ波

ストマイでいのちを拾ったときは

あとの人生丸儲けだと思ったものだが

さて、そのあとの四十年を生きて

なにが儲かったか


隔離病棟は海の間際にあって

潮が満ちてくると

波は堤防の石垣をたたいた

回生の初心とは裏腹に

失ったものばかりかぞえてきたような気がする


我が意を得るというときは

なお貧しい


眠れない夜も

波は岸を打ちつづけた

越えられぬ過去は

越えられぬことにおいて私なのだ









現在


うまれたときから私の中に居着いている

老いなのだが

いまさらのような顔をしてあらわれたりする


懇談会が終って

帰ろうとした玄関まで

追っかけてきたその人は私の年齢をきいた

老人ホームで働いているというから

追っかけてまできく年齢でもないのに

きかれた自分の年齢より

きかれたことの方が気になる

気になるといえば

声をかけられて佇ちどまることは多くなったが

追いかけてもききたいことはなくなってきた


会場の外では

冬近い風が吹いていた

目に見えないものの方が

間違いなく季節を知らせることがある


いちどしか会わない人に

私は

私の
現在いま
に会わせられたりする



島田等(しまだひとし)さんの略歴
1926年5月11日、三重県に生まれる。県立中学中退。1947年9月9日、長島愛生園入所。「らい」詩人集団代表。1995年10月20日死去。評論集『病棄て』(1985 ゆみる出版)、詩集『返礼』(1992 私家版)、『次の冬』(1994 論楽社)、遺稿集『花』(1996 手帳舎)。編集の仕事に『隔絶の里程 長島愛生園入園者50年史』(1982 日本文教出版)、『全患協斗争史』(森田竹次著 1987 私家版)、『死にゆく日にそなえて』(森田竹次著 1978 私家版)などがある。



島田等さんは「花」を題材にした詩が多いが、その花の意味がよくわからなかった。
題名「花」の中の<秘すれば花なり>、題名「花の耳」、題名「九月十日━━妹死す」の中の「花となって帰るなかれ」・・・など。その他「花について」は割愛した。
とても博識な方と思うが、詩はもう少しわかりやすく書いて欲しかった。


2030年 農業の旅→ranking



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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