あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  明石海人さん


冬の納骨堂

うすら陽の疎林に

石の骨堂の球と方との

属性が投げかける階調は、冷厳である。


やがてここに葬られる日のことを思ひ乍ら

ぢっとすます胸にひびいてくるものは

石面の交錯が冬陽にかなでる、明暗の挽歌ばかり


かくて、冬の疎林の薄ら陽に、

石の骨堂は

その冷厳な表情をくづさうとはしない。









癩の島


 めぐらすは海。漁夫は網を布き、老女はこごえつつ貝を掘り、芥の如き獲物につづれを濡らす。療養所の敷地は高く、麦飯に腹を満してあはれむ。
 費足らざれば馬鈴薯に痩せ、昨日も今日も埋葬の鐘は鳴る、病室には咽喉を塞がりて管を貫き、手足痿えて海鼠の如く、腮をゆるんで涎を垂らし、眼のかはきに痛みを呼び、神経の疼きに毒鍼を欲る。

 手指は折れ、足はむしばまれて短く、大方は盲なり。死に近き友は頬に深く影をひきこんこんと眠る。軈て此処に果つべき日を思ひながら、母も子も思ひ出にうすれ、婉然とわかきは別れ来し日の妻。壁の汚れに陽は滲み、尿の香に大気はぬかるむ。芝居の稽古あはただしく、人々はおのがじしの光を索め、からを閉して石くれの如く重なる。無頼の徒、世の如く、路を開き家を建つる労苦を嗤ふ、知友の多く火葬場にやかる。千魚の如き手に杖をさぐって納骨堂に至れば、石の壁は荒く、母の骨を擁いて嘆く少女がある。



2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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