あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  大木繁幹さん

 



何千年かの神秘を秘めて

ひたすら沈黙を守る岩である。


足許に噛みつく怒濤も

じっと堪えねばならない岩であった。


沈黙深い岩である

忍従深い岩である


見よその風貌を・・・

心底からこみ上げる情熱は

ヘナヘナの人間共の世界に向って

警鐘をつかうとあせっていた。











がさがさに荒れ蝕落していて

みれば見る程傷ましい掌だ

しみじみと掌を凝視めていると

蹌踉として陰影かげりゆくものがある。


今は杳く

母の乳房をまさぐった掌だ

幼児いとけなき

故郷の渚に貝殻を拾い集めた掌だ

青春の頃

悪魔の悪戯に掌は腐蝕されて、個性の存在さへ見られず、冷やかな現実の嘲笑に、灰色の礫の軽蔑に、青空を恋ひながら闇に落ちていった掌だ。

ああ 掌は人生の縮図か

劇しき生活の起伏を秘めて幾条も幾条も縦横に流れている深い皺の侘びしさ。


見るかげもない掌をひろげてすぼめて・・・

ああ阿呆のやうな仕草を繰りかへし今日もまた

ぼとぼとと私の悲涙を静かに受けている掌だ。



大木繁幹(大木しげる、大木繁樹)さんの略歴
1934年11月7日長島愛生園に入所、1938年7月11日退所。在園中、詩を「愛生」に発表している。


2030年 農業の旅→ranking



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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