あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  島村静雨さん



望郷の詩


俺は孤独の旅に出て

十五年振りに追憶の町に還って来た。


何の用もなく

誰に会いたい意思も持たず

ただ ふらふらと足が向いて

ふるさとの町にたちどまっている。


そうだ この十五年の間に

大きな戦争があって

この町も戦争で焼けて

昔ここに住んだ人々も散りじりになった。


俺も戦争で

あの血なまぐさい戦場で

身も心も痛み果て

うらぶれた姿で還って来た。


ふるさとも

親しかった多くの友も失って。


俺はおおっぴらに敷居もまたげない家と

生きていても自由に会えもしない肉親と

路で往き合っても昔のように

気安く語れない友のいる

想い出の町に来ている。


━━この町はもう俺のふるさとではなかった。白い風が俺の周囲を吹くばかりだ━━


俺は

追憶だけを温めて

明日はまた 知らない街を旅する。









海猫のいる海


遠くアジア大陸から

日本海流に吹き荒れる

季節風に

浪はごうごうと岸壁を噛み

その轟きにかき消され

その浪音にたえだえと

海猫の鳴声は

夕暮れの葬列の鐘の音のように

わたしのこころの扉にささる。


そこには荒波に逆う

海人の 雄々しくたくましい海の唄声

みなぎり満ちて

日本海流にいどむ

海国日本の貧しい漁民の群。


ごうごうと浪打つ岸辺

それらの人々のたわいなく疲れて眠る

家々の灯が


わたしの憂悶の胸底でゆらぐ。


海猫は

北国の寒い港の

浪にたえだえ鳴く。



2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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