あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  島村静雨さん





黒夜の潮騒に

おののく

島があった。


島は

暗い海に一見

穏やかな外観を横たえていた。


だが

そこに住む人々の

貌は醜かった。

その足は萎え

指は曲り

掌はかさかさに荒れて

肉体はいたましく病んで変貌していた。


彼等は大地に

義足をきしませても歩くことを

止めなかった。

掌に鍬をしばりつけて耕すすべを覚えた。

ペンをしばりつけて

文学を生み真実を探求した。


盲は唇で点字を読み

舌で便りを聞いた


たまには自らくびる者もあったが

その暗黒のなかから

ひかりを掬み

生きる可能を知った。

闇の中にひかりを

絶望の中からのぞみを

不可能の中に可能を発見した。


病める歌人は歌った

「みずから燃えなければ
ひかりはない」と。


傷ついた詩人は詩った。

「絶望のはてに甦り
泥沼のなかから
まことのいのちはめばえる」と。


そして すべての人の世のように

恋愛や結婚もあった。

たまにはこそどろや醜聞もあった。

いざこざや抗争もあった。


またこの島に

地上の父がいた。

慈悲深い聖母がいた。

彼等はそのふところに

失った故郷を感じ

幼い日を夢みた。


島を訪れる人々は 

いたましい彼等の醜貌に

顔をそむけ その悲惨さに

憐愍の涙をながした。


彼等はもうその場限りのあわれみや

なぐさめの言葉に
 
感動もしなかったが
 
ささやかな真実に涙を流し

いたわり合った。

そして天国には遠かったが

天国を感じた。


彼等は

人権を叫び

偏見を憎んだ。

地球の黄昏を憂えて戦争に反対し

平和を叫んだ。


夜明けをまちわび

淡い夜に 吐息し

やがて訪れるであろう

島の夜明けに

人類の歓喜を

世界の黎明を夢みた。


地球の谷間 未知の海の

黒夜に

おののく

孤独な島があった。



2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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