あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  小泉雅二さん



焦燥
━━眼球結節焼切手術



地球が視点を病んでいる


手術室に

焼灼が発火する らいの眼球だ


恋人よ

言葉はいらない

まして白杖は叩き折れ

俺に石油をぶっかければよい


<宿命>の火葬だ

たとえ 爪弾かれるギターの曲が

紋白蝶の軽やかさであっても

暗い海底に沈む泣きぬれたものでも

らい院に正常な眼球はない

どれ程の感動もありはしない

たとえ たとえだ

わが子の産声をきいたとしても

瞬時に

裏腹になる

喜びの深部で化石する罪


らいの断種を迫るなら女を殺せ

らいのしばり首はお笑い種になる


らいの理性は人間の死骸だ

眼球が欲しい 眼球が欲しい

眼球が欲しい

千里むこうのみえる

眼球を売る奴はいないか


恋人よ

失しなわれゆく視力の

俺の眼球ふたつと

おまえの病まない性を天秤にかけるか⁉


それでもらいは治る








砂の上の家で


「砂の上に家を建ててみたいの」

「ナマ殺しにされてもか」

洗濯機がまわって

俎がリズムづいている

朝っぱらから・・・と

それでも

泉のようなどん欲を握りつぶせるものか


障子のすき間から青緑の陽光がもれる

透明な柱

透明な瓦

透明な二人の家

窓から ぼくのプラトニック・ラブが呻めき

志保子は

来るべき暴風が来たのだ と目を閉じる


━━未来のモラルを誕生させるのよ


雨上りのアスファルトに

医局行きのサン・グラスをさがす

ぼくに

「お昼なにが食べたい?」

いそいそと買物籠をさげてついてくる志保子


━━男子独身寮に女の子が居ても不思議じゃないわ


「女王蜂だなあ 志保子」

「いやーだ だってね さっき洗濯物ないって言ったら みんな両手でかかえてきたのよ あれ 一日中かかっても処理出来やしないわ こんな女王蜂っているかしら」


さて それから ぼくは

買物籠に入れられて帰ってくる

志保子は

うたいながら洗濯機のスイッチをいれ

ジャガイモをむく

包丁をすべらせながら

うれしくなり

らい院には信じきってもいい人間がいる



2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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