あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  小村義夫(小酒井時則)さん



白い行間をみつめて


じっと

白い行間をみつめていると

何か むなしい思いだけが

反転してくる


色彩は悲惨であっても

この行間に又とない生命の記録を

つづって行きたいと思う


久しぶりに丘に登った今日

大きな木のもとに立って

風雪にたえてきた樹齢を考え

きざまれた年輪のことを思う


白い行間をみつめながら

そのむなしさをのり越え

せっかくらいを病んでいることだから

むなしい時間の経過であってはいけない

青いインクで力一ぱい充実した

生活の記録をつづってゆこうと思う









白い手
━━外傷の痛む夜に


鈍感な手のひらに

レプラの哄笑が初まると

戦慄した感情の中に

氷柱のような冷さが突刺さった


主治医の手に握り締められた湾剪

バシバシと表皮をはぐ音がはしる

ナースの繊手が運ぶ消毒綿

つぎつぎに添附される白い軟膏

結集する視線の下に漿液の滴り・・・

帰ってこない風景の頁を閉じると

失われた平行線が上下動する一端に

色彩の無い風車がキリキリ廻っていた

我執へのいらだちが囁く

消灯された病室

霧の深い夜がやってくると

すでに繃帯に巻れた手は

花よりもなお静な時間を捕えようとしている 



小村義夫(小酒井時則)さんの略歴
1919年2月24日愛知県に生まれる。1942年11月11日長島愛生園に強制収容される。1945年頃より永瀬清子に師事し、詩作を始めた。1948年失明、1949年受洗。詩集『花を活ける女』



2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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