あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

邑久光明園  坂井まさるさん



憶い出のダリヤ



月光にうそぶく俺れの魂は

寝床をぬけて庭のダリヤに彷徨う

憶いは遠き七周年前の夢に

寂漠とした砂丘のテントを守る生存者の群れ

ひそひそ語り明かす葬送の悲曲

月は尚冴え尚蒼く

抱き合った二つの死体の黒髪は砂上に乱れて居る

舟虫は口より入りて鼻口に這う

悪臭は大気に充満して沈黙の砂上は凄惨である

二つの死体にひれ伏して一輪のダリヤを捧げる

いたいたしい老婆の姿よ

魂のぬけた人形の様な喘ぐ声がかすかにきこえる

ああ彼の息子とその妻が彼を残して

災禍の犠牲となったのだ

俺れは静かに瞑目した









白い菊

白は清いものを意味している

だから白菊俺はおまえが好きなんだ

観れば赤は華麗だし黄も美しいし紫も綺麗だ

然し彼等の美しいのは陽の恩恵があるからだ

少しでも夕づいて来ると

もう彼等の特異な色は失われて仕舞う

おまえの特異な色は暗い夜が来ても

明るい陽の下にも変らず白い

どんな事が在ってもやっぱり白く笑っている

白菊よ俺は崇拝する

おまえの変らない特異なものを



坂井まさるさんの略歴
1902年1月19日石川県に生まれる。1931年12月3日外島保養院に入院。開園当時から1941年頃にかけて、卯の花俳句会会員として多くの作品を発表した一人である。1946年9月21日死去。


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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