あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

邑久光明園  橋本正樹さん


橋本正樹さんの詩はわかりづらい箇所が多々あるが、全体を通して何となくわかったら、その詩は省かずに載せました。




荒廃の花園
━━故 瀬田洋兄追悼


それはかなしい一つの記憶でもあるが

あなたの
精根いのち が西に傾むく日車草ひまわり

まみえた時のように

この
荒廃あれはてた花園のなかに

たった一つ見られる

美しい風船かずらが

わたしのあしもとに揺れていた

かそかな日の想いのなかに

かそかに淡い光を湛えながら

あの日のあなたの面影にどっか結びついている
記憶おもいに垂れて

秋風に乱してはならないこの荒れた花園の朝を

ただひとつかそかにも風船かずらが揺れている

(1950)








秋の翳


秋津のぶつかる音が

私のみけんで外れる


あれほどあつく灼けついていたいらかの

かなしみが


その後の消息を断つように

私のうしろに消え去ってしまうと

今日は

松風がきゅうに輝き出し

みちと云うみち辺には

ところかまわずバッタが

宙返えりする


私の虫歯のいたみを

どうにか桔梗の花かげに

美しく 捨てては しまったものの


それでも

私の外は

広い 海である以外には


私は

何も云うべき言葉を

持たない

(1952)








春の標識


いそ山の

いばらの刺から


岩の裂目の牡蠣がらの

貝から


くずおれたあし

こぼれた 
とびの羽根など

そんな中から


しめやかな 春がやって来るのに

違いない


今日いちにち

砂山に隠れて

私は静かに前方を見る


ふしだらけの

明るい景色の中には

そそり立つような黒い
からす

脚が垂れさがり

聴き澄ます耳もとには

なんとも云えない

幽閉された 大きな力が

こみあげて来るようだ


それが人々の呼びあう

春と云うものであるかも

知れない


そう云えば

私の頬先にふれた

風のなかには

たら
の新しい芽刺が

あかるい光を保っている

春の季節はもう十分に

私のあしもとに拡がっているのだ


砂山に崩れてもくずれても溜る

白い貝殻族よ


明日はきっと柔かい春風が吹いて来て


わたしたちのたましいの一つ塚を

濡らすのに違いない

(1953)



2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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