あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

邑久光明園  山田法水さん




山田法水さんは藤本トシさんの先夫です。


夜話



俺が懐しさと喜びに慄えながら

七年振りで古里の土を踏んだ時

待っていて心から受け入れてくれたものは

真暗な闇と古巣の納屋だけだったよ


俺が二日間元の主人顔をしていた時

昼間訪ずれて来てくれたものは

節穴から忍びこんだ白っちゃけた光線と

蟋蟀コオロギの老ぼれだけだったよ


俺が後悔のほぞを噛みながら

しょんぼり帰園ってくる時

沁々と来し方行く末を囁きながら

駅まで送って来てくれたのは

闇夜が産んだ

あの時雨だけだったよ









やすらい


麗らかな日が

憩うている私の足を

撫でてくれる

暖めてくれる

峨々たり峯を攀じ

底しれぬ谷を辿り

風雨の暴力に耐え

果しない吹雪の広野を

越えてきた

足を

七十余年の労れ

萎えはてて

盲杖にすがっていても

ひょろひょろと

よりどない歩み

その歩みから

人々に切れ凧を

連想させて

秘かにそう呼ばれている

足・・・・・

私はこの足で

あすも歩まねばならない

すべてを越えて行かねばならない

足跡には

鮮血が滲むだろう

だがその奥に法悦よ

燿やいてくれ

・・・・・・・・・・

麗らかな日が

草に憩う

私の足を

撫でていてくれる

あすを励ましてくれている


山田法水さんの略歴
外島保養院に入院。日蓮宗の熱心な信者で、昭和二十年代前半まで邑久光明園の日蓮宗立正会の役員を務める。詩のほかに短歌も発表。早くから視力を失ったが、文芸活動に専念した。風水害後、多摩全生園に委託。生没年、入所年は不詳。


2030年 農業の旅→ranking



このページのトップへ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

カウンター

QRコード

QR

検索フォーム