あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

邑久光明園  野上徹さん



秋に想う



秋が淋しいのなら

それは務めを終わった木の葉の

別れの言葉で満ちているからです


秋が澄んでいるのなら

それは色彩と香りの陽炎が

木の実の中に吸いとられてしまったからです


秋が涼しいのなら

それは栗色の肌の下で黄金色の雲を追っていた血潮が

足元にかくされた芽を見つけたからです


秋が落ちついているのなら

それは古めかしい音楽が

原始を甦がえらすからです

緑の木陰が必要な時ももう過ぎ去りました


最後の仕上をする

わずかの安らぎではあっても

秋が 秋で終ってはならないのです








並行線


私の中に

二つの私が住んでいる


ガラス戸に映った私の顔は

━━お前は一秒毎に腐っていくんだ

お前のいのちは もうほんのちょっぴりしか

残っていないんだ━━と


私を運んでいく足は

━━お前は玉のように磨かれるんだ

お前は永遠なんだ━━と


残された時間を

輝く行事で埋められていくノートは

幾頁も破りとられた

(だが)

よごれたノートは

たどたどしい記事で

書き綴られていく


私の中に

二つの私が住んでいる

どちらも私であり

私はどちらへ隠れることも出来ない



野上徹(太田利夫)さんの略歴
1917年7月29日岐阜県に生まれる。左官の仕事をしていたが発病、1947年3月25日邑久光明園に入所。詩以外に創作もある。


2030年 農業の旅→ranking



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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