あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

邑久光明園  秋田穂月さん


蒼穹への招待

これほど美しく

これほど軽やかに

これほどいきいきと

これほどすばらしく

きらめきながら

蒼穹あおぞらへきえてゆく煙を

かつてぼくは見た記憶がない

三十年にあまる療養生活から

やっと解放された妻を荼毘だびにする

花束よりも華麗な煙なのだ

それはまたぼくへの招待状なのだ

夜の闇にまぎれ

潮の香は

荼毘所をつつむ

限りない帰天を遂げさせた形のままに

春夏秋冬 その日その時の

涙にうつり

おごそかに ひっそりと

荼毘所の煙突は立ちつくしている

人とは何か

何でないのか

ぼくはぼくに向って

終りのない問いかけを重ね

深められてゆく悲しみに

昨日と同じ重さだけ

疲れはてるのだ








空白への招待


くる日も

くる日も

はるかな

風のゆくてに

生への意志をつつむように

きらめいている

ふるさと


空白の頁はめくられたままだ

山河のにおいは

あらあらしく軋み

積み忘れた翼を

生のはざまで

今日も

死よりもにがい形に編みつづけ

未来をかきあつめた過去に

あえぎながら

死ねなかった


近づくにつれて小さくなってゆく

ぼくの脳裡の

ふるさと

母の墓前に佇つと

涙もなく

よろこびもなく

せつなさも消え

ずっと前からここに

たたずんでいたようでもあり

すべての故郷の

人々の視線を

おそれながら

やっと

辿りついた そんな

疲れが

どっとぼくをとらえて

まぶしい景色だけが

よみがえってくる


空白

あるいは

空白

ないし

空白 の充実

母が生きつづけている足許

そして

ばくは傾きながら

空白への招待状を

残照のなかで

なりふりかまわず

麻痺した手に

うけとる




2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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