あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  瀬戸美佐夫さん


空缶


かん! と 蹴飛ばされて

ころ ころ・・・ころっと

池の中に 落ちて沈んだ

よんどころない 空缶

だが

空缶は それっきり

この世から 消え失せた と

云うのではない。


人眼の透さぬ

深い 不気味な 池の底では

未だ残された

幾年月かの 空缶の生活がある。

(空缶は空缶としての)


運よく 何かの機会に

地上に 引き上げられるもの、


水圧の重積に 泣きながら

あえなく

そのまま 朽ちて行くもの

が 又

日毎 赤錆びて行く

瘡蓋の 疼きに 掌を支えながらも

己が腐体を 精分として

水面に

美しい花を 咲かせようと

強い祈りに

生きて居る ものもある。








りんごの花


東北よりの旅であった。

農家の

古風な 板塀の中から

新緑にまじって、

りんごの花が

溢れるように 咲いていた。

雑音のない

澄みきった 空気の中で  

白色に

ほんのりと ピンクを 滲ませて、

つつましやかに 

清純な その気配!


宮城野の

名取川沿いの道で 出会った、

紺のももひきに 籠を背負った

色白の 一人の少女。

道を尋ねると、

東北訛の ソプラノで

「はい そうでやす、

右さ曲って橋を渡れば 秋保の駅」と

ていねいに教えてくれた、

娘の笑顔を

私はふと、

あのりんごの花のように 美しく思った。


東北へは

最早 再び 行くべくもない と

思った、

病院への 汽車の中で、

幾度か 私は、

あの少女とりんごの花を

懐しんだ。




2030年 農業の旅→ranking


このページのトップへ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

カウンター

QRコード

QR

検索フォーム