あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  志樹逸馬さん





海辺の芝草をサクサク踏んで

だれにも気づかれず

朝はやく 露にぬれたなぎさに 近よる


自然が だれにも 見られているという

意識をもたない

静かなすがたでいるところを

そっと 足音をしのばせて

近よって

ながめたい ながめる


わたしは この時 とてもうれしい

美しい 

なつかしい

幸福だと思う

わたしも

この世界にふさわしいものとして

ひとつの位置のあることを 感じる

(1954・8・8)






おれは近ごろ


俺は近ごろもう死んでもいいナ とよく思う。

いざという時には死ねるんだ、人間であればだれにも死はきっとやって来るんだ、と思うと安心できた。

それでいて、死がおそろしいのだが、死をおそれなければならぬ理由さえ、考えるのに疲れた。


生きていて、あすに何があるのだろうかと思った。

もうじき夏が来て暑くなればスイカが食べられるのだ。アイスクリームはおいしいだろうな、その時おれはきっと、生きている喜びを味わうに違いない。お菓子の配給日が楽しみだ。ということばかりが、頭に浮んで来るのだ。


こんな泡沫にひとしい、くりかえされては消えてゆくことがらが第一で、どうして、あすがきのうに同じなのだと言わずにおれよう。







毎日刻々


毎日刻々

おれから何かがハガレてゆく
 
四十年汗を流してたがやし育て

この身につけたと思っていた

それらがまるで松の皮でも落すように

けずりとられてゆく

血となり肉となったと思うのはまちがいで

おれはもう何も持てないはだかなんだ

このからだのどこにひそんでいた汚れやチリなのか

消化しきっていたはずのものがことごとく

古びた廃品の役立たずになってしまっているのだ

大切にしていたもの
 
美しいと身につけていたもの

力だと思っていたもの

みなウロコをはぐように

このからだからハガレ落ちてくる

何もないと思うさびしさの中から

あとからあとから

毎日のように ハガサレル ハガレル ハガレテユク


もっとハガシテくれ

(1957・9・16)



2030年 農業の旅→ranking



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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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