あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

大島青松園  塔和子さん


柿のたね


この楕円形の小さな一粒の柿の種の内側は

芽吹くときを見つめて這いのぼっている

終わった果実から渡されたバトンを

芽吹く二枚の葉に渡すまで

自らの姿を内深く秘めて

命の根元からきこえる

いぶきのような力強い声をききながら

未来へ向かう意志を強くして

土を恋う

つづく一筋の命の証人

芽吹く命のための

一粒のこの種は

さいげんもなくつづけている

リレーの途中を

熱い命に息づきながら

  土に芽生えることができるか

  焼却炉に消えるか

  人の手に運命をにぎられて

  いま食べ散らされた

  テーブルの上で光っている







幸福


私は汚れているから美しいものを恋う

かわいているからぬれた優しさを恋う

私が汚れているかぎり

美しいものを見ていられる

かわいているかぎり

ぬれた優しさを感じていられる

だから美しくなりたくない

ぬれた優しさになりたくない

そのそばにいるだけでいいのだ

目を細くし

よだれをたらし

それらを見ている

となり合っていて

手のとどかぬ

その距離こそ

崇高な輝きだ

美よ優しさよそれら

私の恋人たちよ

私はあつく恋うものであることによって

誰よりも幸福なのだ







脱皮


裸木のように

すかっと

無垢な姿を大地の上に投げ出して見たい


蜘蛛の巣に落ちた虫の

荒荒しい抵抗が

粘質の巣の糸にますます深くめり込んでゆく

あの暗いあがきを

ふてぶてと眺めている運命の

毒蜘蛛の巣の

不気味な柔軟性を蹴飛ばしたい


その清冽な跳躍の姿勢を

裸木のように大地の上に

放り出したい








ある怠惰

忘れた 忘れる 忘れよう

忘れられる 忘れられる 忘れられた


通り過ぎた風のように

肌に残る感触は

消え去りはしないのに

みんな

すまして忘れたという

それでいいのかしら

でも忘れたという言葉があるのだから

利用する方が便利だ



2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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