あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

栗生楽泉園  武内慎之助さん


ここは蟻の巣だ


ここは妙義山の中腹、握り飯食う所に決めた

底知れない断崖、絶壁の所だ

真菰と枯木、落葉を積み上げた蟻の城だ

雪解けを待ったのだろう、蟻の活躍が始まる

茶褐色の山蟻は私等が来るのを待ちかまえていた

山蟻は生命の火を燃やし続けて寄って来たのだ

蟻は私等の握り飯に、卵焼きによじ登ってきた

蟻は今日があり、明日があり、無限の世界を働き廻っている思いがする

蟻はアカシヤの木を登り、野苺の木をも登っている

蜜蜂の真似をなし、花の蜜をも漁るのだろうか

ああ、私は妙義の山中に来て山蟻の活躍に遭遇した

蟻はらい者に訴えてきた

盲目といえども命の限り働け邁進せいと

人間の生き長らえた尊さも告げてくれる

蟻の世界に人間が生きていることをも告げてくれる

ああ蟻よ、知覚ないらい者の全身をしたたか射した

らい者の空間と主観を鋭く射した

私は、この蟻の巣に妙義山へ来た甲斐のあったことをも知った

私を射した蟻に感動した

そっと握り飯半分、卵焼き、バナナ等々

古新聞広げて置いてきた

蟻よ、また会う日を思い

妙義の中腹、大自然の中の小さな蟻の活躍を想像し

いつまでも妙義の絶壁に、山蟻を思い共に別れを惜んで来た









かえって来た視力


ああ、

全身が戦慄する

私は開眼手術を受けた

繃帯がとれた

時が流れた

新しい生命の芽ばえを知った


ある日油絵が送りとどけられてきた

私は夢中で油絵に触れてみた

みえる、見えてきたのだ

グリーンの密柑みかん

赤茶色のりんごがみえてきたのだ

白色の風呂敷に

暖かい人の手がかかっている


続いてシクラメンの絵が

とどいた

赤い花と緑の葉っぱがみえる

手術した網膜に現映してきた

絵に描かれたりんごと密柑が

宇宙を飛び廻る

人工衛星にも見えてくるのだ

手術した網膜に

秋の陽光が強く差す

青いシクラメンの葉っぱは

星が流れるようにもみえる

人のまごころが

シクラメンの一枚一枚の葉に光っている

私は絵を

顔すりよせて眺め続けた




2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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