あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

邑久光明園  千島染太郎さん



春水

 

うすみどりの 野の涯より

うすみどりの 野の涯まで

うらうらと つらつらと

流れ来て 流れ去り

流れ来て 流れ去る

ももいろの

・・・明り


ささやくように 羞うように

かんばせに照り あしもとに輝き

ちらちらと ゆらゆらと

流れ来て 流れ去り

流れ来て 流れ去る

ももいろの

・・・ひかり


水のせおとは 貴女の声に似て

水のきららは 貴女の微笑みに似て

流れ来て 流れ去り

流れ来て 流れ去る

ももいろの

・・・かげり


見えながら 消えていく

消えながら 見えている

貴女の面影

貴女の笑窪


いくつもいくつも

うたかた生れて

流れ来て 流れ去り

流れ来て 流れ去る

ももいろの

・・・こころ


ほのぼのと水の匂いが

さらさらと水のいのちが

野の花を濡らし 私を濡らし


流れても流れても・・・

流れは果てぬ

春の野川の


・・・一すじの夢








老鷲の賦


ここ廃園の

白痴にも似た
静謐しじま

・・・赤錆びし檻の織りなす

虚しき影に絡まり

老鷲一羽

その傲岸な嘴に

霜を咥えて眠る

おおいなる翼に包みきれぬ

野生の哀愁が

茶褐色に流れ

磨り減れる強慾な蹴爪に

孤独の
宿命さだめを握りしめて眠る

万里の山獄を睥睨し

飛風天空を捲く

昔日の夢・・・

周囲の石壁に凍てて

ニヒリズムな

白樺色の光リ漂う

眠りつつ衰えゆく精気

身動きつつ滅びゆく生命いのち

朽ちる日の
木乃伊ミイラの祈りを遥か

枯園の
なげきを・・・

おもむろに眠る

貪婪と

蹂躙と

強奪と

驕暴と

専横と征服

とを失える

荒廃の王座に

片々と木の葉が散りかかる

鎖されし生涯を

崩れし餌箱の散乱を

腐臭に満ちた

日輪が巡り・・・

ここ廃園の

忘却にも似た
静謐しじま
に・・・

翼老いたる

鷲一羽

その傷痕の瞼に

永遠の憂愁を秘めて・・・

・・・眠る



千島染太郎さんの略歴
1922年12月10日大阪府に生まれる。1940年10月25日光明園に入所。1944年頃から園内の卯の花俳句会に入り、浜中柑児に師事、その後「冬扇」に所属。深川正一郎の指導を受ける。1946年文芸会の発足とともに入会、詩作にも意欲を燃やす。1949年から自治会常勤役員として活動。会長6期、副会長1期を務める。自治会役職退職後、文芸活動に専念する。「石けりのうた」(全国民放各局放送)「山の子のうた」(中山晋平音楽賞受賞作)「ひとりぼっちの旅」(近畿放送ラジオ歌謡)「鰯雲の歌」(NHKラジオ歌謡)「街角の赤電話」(NHKラジオ歌謡 1961年放送)「おはじきの歌」(ニューモラルソング)「村民歌」(新潟県東蒲原郡上川村)。CD「ひとりぼっちの赤とんぼ」(2001)。2002年度松尾芭蕉祭入選<滋賀県>。2003年6月21日死去。


2030年 農業の旅→ranking




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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在64才、農業歴28年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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