脇杖を突きてやうやく帰り来ぬ部屋も風なく苦しかりけり
み柩や終の別れを見送ると義足の吾は道におくれつ
眼を病みて吾はさびしく臥り居り布団の上の秋日まぶしく
自転車を持ちて病者の入園すみなめづらしく乗りて遊べる
島山の萩の
一枚の白紙貰へば歌書かむかかることさへ嬉しかりけり
プロミンはありがたきかも傷いえて吾ものびのび初湯に浸る
曲りたる此の指にても有難し落ちなむとせる玉子を摑む
大木の折れたる音にさも似たる吾が足落ちし音は忘れず
ひたぶるにもの書きをればそっと来し娘は飴玉を口にくれけり
Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
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