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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

多摩全生園  森 節子さん



苦しかった晩



 昼間はなんでもない私の病気も、夜になるときまっていたくなるのだった。
 あたりも暗くなり、雨戸をしめきった部屋の中で火鉢のそばに坐って新聞を見ていた私に、寮母さんが声をかけた「節っちゃんいたいかい、注射頼んでやるか」と言われた。
 私は「いいよ」と、なにげなく答えた。
 その時はそれで終わってしまった。
 私は早ねをしようと思い、火鉢をはなれ、床をしき、ねることにした。
 床に入ったが、いたみは増すばかり、じっとしていられないので、あっちに動いたりして、いたみをまぎらわした。
 しかし痛みはなおらなかった。━━こんなことをして時間をすごした。
 ラジオはとまり、皆んなねたらしく、電気は消え、さびしい程静まりかえっていた。
 私はいたみと一人残されたようなさびしさで泣きたい気持でいっぱいだった。
 私はただ、いたいいたいに気をとられ、ねむることも出来ず朝のくるのをまつばかりだった。ようやく朝がたになると、私は、いつの間にかうとうととねむりについていた。


多摩全生園 中三 森 節子さん

森 節子さんの略歴
1938年7月9日静岡県に生まれる。1951年3月12日多摩全生園に入所。


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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