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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園


お母さん


机に向って

勉強していた

「お母さん お母さん」と

眠っている友が

お母さんを呼んだ

お母さんの夢を見ているんだと

思うと

急に悲しくなって

僕もそっと

「お母さん」と

勉強やめて よんで見た






月夜


窓を閉めに行った

柔かい月光が

昼の様に廊下にさしている

故郷を離れる時も

こんな月夜だったな、と

思い出された

丸い月が静かに

白い雲をわけわけして

西に走っているようだ

松林の上を夜鴉が

羽を薄白く光らせて

飛んで行った

海が月の光で

青黒く見える






大風子注射


冷たいアルコールをひたした綿で

腕をふいた

斜に切ってある針

針の穴から液がこぼれそうだ

きゅうっと皮を破って

針が半分入った

ぶるぶると全身がふるえた

ぶしぶしと液が肉の中に沁みこんでゆく

ぎゅうぎゅうとだるく痛む

皆の顔が

いちように瞳を光らせて

痛そうに僕の方を見ている


長島愛生園 S・T雄さん
(『望ヶ丘の子供立ち』1941年8月21日)


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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