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あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

長島愛生園  平美沙子さん



散歩


 あんまり淋しかったので、私は一人で散歩に出た。どこをどう歩いたのか分らないうちに、海岸に来ていた。砂浜に腰を下しながら向うの海を見ると、月の光に美しく光っている。私はいつの間にか故里のことを思い浮べていた。今頃母は何をしているだろうかと思うと悲しくなって来る。つぎつぎに懐しい思い出をたどっていると、いつか涙が出る。私はたまらなくなって、「お母さん」と大きな声で呼んでみた。答があろうはずはない。波が静かに寄せる音がするだけだった。私は淋しさをまぎらすために、月見草を摘んでは海に投げた。小石を拾っては投げた。でもさびしさは私の胸ふかくこびりついて、どうにもならない。かえって益々さびしくなるばかりである。漁火もさびしげに揺れていた。月もさびしげに私を照らしているようだった。私はいつまでもいつまでも月を見ていた。


中学1年 平美沙子さん (「愛生」1950年8月5日)

平美沙子さんの過去記事


2030年 農業の旅→ranking


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プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在66才、農業歴30年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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