FC2ブログ

あめんぼ通信(農家の夕飯)

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

1954年「光の杖」の詩人たち  藤本トシさん



闘病


お正月の餅 白い餅

幾年かのあいだ

私には羨望の的であった餅

母の涙であり

父の太息であった餅

あの頃は私にとって

毒の象徴であった

眼を伏せて耐えている

病む子の姿に父も母も

とうとう死ぬまで

口にし得なかった

白い餅

私は今それを

父 母の霊前に

供えようとしている

・・・・・・・・・

治ると信じ

治そうと努力して

親も子も

ひたすらであったものを

歪んでしまった手で

探りながら器に盛る

白い餅 正月の餅







冬ばら


来る日もくる日も

ぽつねんと見つめていた

灰色━━

今日もやっぱり

涸渇のなかを

覗いていたら

さっと

緑の色彩が

流れた

それから白と

少しばかりの黄と・・・

瞬間 もらった

たった一本の花が

執拗な寂漠を

ちぎって

盲眼の底に

匂った



藤本トシさんの略歴
1901年2月5日、東京都生まれ。1919年に発病し、民間病院に通院後、1925年、身延深敬園に入園。1929年5月、外島保養院に転院。1934年、室戸台風により外島保養院は壊滅状態となり、全生病院に委託される。1938年、外島保養院が光明園として再建後、帰園。園の機関紙「楓」の創刊後、短歌、詩、随筆などを投稿していた。1987年6月2日死去。随筆集『藤本トシ』(1970 復権文庫)、作品集『地面の底が抜けたんです』(1974 思想の科学社)。


2030年 農業の旅→ranking


このページのトップへ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

Author:水田 祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在67才、農業歴31年目。農業形態はセット野菜の宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ20羽。子供の頃、家は葉タバコ農家であり、脱サラ後の3年間は父が健在だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp
にほんブログ村 料理ブログ 男の料理へ



セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

最新記事

最新コメント

カテゴリ

カウンター

QRコード

QR

検索フォーム

月別アーカイブ