ニワトリがこの「止まり木」を気に入ってくれたようでうれしい。低い位置にも止まり木があるが、たいてい高い位置の止まり木で一服している。
集落内の親戚に委託している70アールの稲作のうち、圃場整備している1枚(28アールほど)を除く10枚(40アールほど)は来年から返すと言われた。つまり稲を作ってもらえなくなった。高齢になったからというのが最も大きい理由だが、この秋、イノシシやシカの被害をかなり受けたことも、山際の田んぼはもう作らないという気持ちにつながったと思う。
返された10枚の田んぼは、来年からは年に4~5回耕運だけして草を伸ばさないようにする。草刈をするより耕運の方がまだ楽だと思うから。しかし「あぜ草」は刈らなければならない。いらぬ手間が増え、その上、小作料としてもらっていた米も少ししかもらえなくなるのでダブルパンチ。
年に4~5回耕運だけして田んぼを管理しなければならないなら、何か野菜でも作った方がいいが、作る作物が思い浮かばない。誰か他の人に稲作を委託したいが、してくれそうな人は一人もいない。
完全に荷物(負債)の田んぼである。しかし売れない。売るには周囲の田んぼの持ち主の了解も必要なのでまず売れない。
こんな田んぼが全国にますます増えていくだろう。
当地でも随分、休耕田(荒地)が増えた。採算が合わないから作ろうとしない。加えて水辺を住みかとする「ヌートリア」の被害も激しいらしい。
田んぼの周囲の木々が色づいてきたが、イノシシショックで、出かける気がしない。とにかく電柵の設置が終わらないと、気持ちが前に進まない。
イノシシは電柵で防げても、シカは高くジャンプするので、設置場所を誤れば飛び越えられてしまう。設置して入られたらダメージが大きいので、よく相談しながら進めようと思う。
害獣の被害から受けるショックは、台風や豪雨や日照りの比ではない。
害獣の被害は天候の被害と異なり、1年中、そして永遠に続く。その上、害獣は加速的に増え続けている。すでに次の世代が普通に農業などできる状況ではない。
ヤギは意外と利口な家畜だと思う。世話係のボクをはっきり識別してくれる。薄暗くなって杭から鎖を外すと、小屋に向かって一目散に走り始めるので、手綱(鎖)をしっかり握ってスピードを少しゆるめる。朝もスムーズに目的地に向かってくれる。
朝田んぼに着いて外に出す時に5分ほど、昼に帰る時に1分ほど、午後来た時に1分ほど、そして薄暗くなって帰る時に5分ほど世話をしている。
米国で最もよく使われる農薬の一つであり、日本でも使われている除草剤のアトラジンについて、安全性の再評価をすることを決めた。体内に取り込まれた場合、微量でも胎児に低体重や先天異常を起こす可能性が最近の研究で指摘されていることが主な理由。(農業新聞10月24日)
夕方、イノシシの被害を見に来た集落の人に、電柵を張ったらその下の草刈が大変という話をしたら、ラウンドアップ(除草剤の名)を使やあええんじゃがな。畦に使うだけじゃから問題なかろう。噴霧する時に三角のジョウゴみたいなのを先につければ他へ拡散することはないと言われた。